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2007年10月 5日 (金)

培養陰性・・・ どんだけ~ 菌の遺伝子検査

先日の若者PIDの症例ですが、やはり培養は陰性でした。

http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/pid_9ad3.html

塗抹陽性培養陰性など検査をしていて良く経験することですが、臨床の先生にとっては確証を得たい最後の砦を失ったようで、がっかりされる先生も多いかと思います。

原因としては

①抗菌薬の前投与があり発育しない→患者側の要因

②培養条件が悪い(もしくは間違っている)ので発育しない→検査側の要因

③採取したが保存状態が悪かった→医師、看護師、検査側の要因

④もともと培養が困難もしくは迅速に発育してこないもの→菌側の要因

が考えられます。培養出せば検査結果が出て当然と思われてる方も未だ多いかと思いますが、菌も生き物ですし、培養などは、元々菌の意思とは関係なく人工的に人体に似た環境を作って菌を検出するものになりますので、イレギュラーもありきと思います。先日の症例もそうです。

実は先日の件ですが、淋菌のPIDを強く疑っていまして、患者もCTRXで軽快したという経緯もあり、淋菌性PIDで問題ないと思われます。ただし、淋菌の証明をどうするか?ですがやはりDNA同定に頼らないといけない状況もあろうかと思い、膿瘍をそのまま、最近、厚意にさせて頂いています岐阜大学大学院医学系研究科 再生分子統御講座 病原体制御学分野 の大楠准教授(Ph.D)に送り、遺伝子学的に同定してもらいました。また、どうしてもChlamydia trachomatisもR/Oしたかったので同時に検索してもらうことにしました。

結果・・・淋菌(+)、C. trachomatis(-)

となりまして、淋菌性PIDの確定になりました。下の写真はその時の結果になります。

大楠先生のところでは、どうしても培養が困難なもの、発育してこないもの、稀すぎて同定困難なものなど遺伝子検査で同定して報告してくれます。先生は臨床検査技師であり、検査技師さんの大きな見方の一人であると思っています。いつもありがとうございます。

もし、こういった症例など経験した場合は一度相談してみればどうですか?

ただし・・・、こちらで横着して検査をしないで送るのは恥ずかしいかもしれませんので、頑張ってからにして下さい。(急性期の場合はそうでもないかもしれませんが)

連絡先添付します。

岐阜大学大学院医学系研究科 再生分子統御講座 病原体制御学分野

〒501-1194 岐阜市柳戸1-1
http://www1.gifu-u.ac.jp/~saikin21/top-page.htm

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