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2007年10月 2日 (火)

若年者のPID

今日はこんな症例です。20歳の女性。職業は美容師です。2日前から腹痛が酷くなり、下痢も催したために来院です。エコー上には問題なく、単なる胃腸炎の疑いにてFOM処方され帰宅。翌日改善なく再診したところ、下腹部に膿瘍を認め内視鏡下で排膿しました。その時のスメアです。

炎症所見が非常に強く、また新鮮な白血球がたくさん観察されアクティブな感染所見です。また、一部好中球以外にも組織球も確認され時間経過が少しあったことが確認できます。若年者のPIDにてクラミジアも想定しましたが、それらしき白血球(核の偏在したもの)も見つからない状態でした。翌日の培養は陰性。血培も陰性。さあ、どうしましょう?

本人には聞きましたが、最近の性交渉はないとのこと。隠れCSWと踏んでいるのですが、予想される返答はありませんでした。最近はみなさんアルバイト感覚でされているようで、産婦人科の先生はあまりにオープン過ぎて怖くなってくるとのことです。

スメア掲載します。

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コメント

師範手前さま
>若年者のPIDにてクラミジアも想定しましたが、それらしき白血球(核の偏在したもの)も見つからない状態でした。翌日の培養は陰性。血培も陰性。さあ、どうしましょう?
淋菌の明瞭な貪食像が確認できます。まさに、淋菌によるPID感染症に間違いないでしょうね。
なぜ、培養陰性なのか?FOMヒットしたのか、それとももともと死菌だったのでしょうか。もちろんチュコレート寒天の使用は必須ですね。
>本人には聞きましたが、最近の性交渉はないとのこと。隠れCSWと踏んでいるのですが
たぶん、そうなんでしょうね。初診ですし、本人あまり重症感が少ない分、正直に言えないのかな。
高熱やどうしようもなく痛いのであれば、もう少し違うかもしれませんね。それと、CSWの淋菌感染症の場合、咽頭培養もしたほうがいいでしょうね、オーラルセックスよる陽性率が高いとの報告もありますしね。

PID感染症で膿瘍形成の場合、卵管や周辺の卵巣、腸管への癒着も気になるところです、癒着により不妊症や子宮外妊娠の原因にもなりますね。また、先日の症例にもあったように最近では大腸菌が原因になることが多いみたいですね。
外来治療抗菌薬ですが、LVFX、CTRX,MINOあたりでしょうか。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年10月 3日 (水) 13時23分

倉敷太郎さま コメントありがとう。今部下の方からお電話貰いました。凄い偶然です。
外来治療薬ですが、淋菌と判っているのであれば本邦の現状からキノロンは難しいと思います。
CDCのSTDガイドラインhttp://www.cdc.gov/std/treatment/2006/rr5511.pdfでは
①CTRX 125mg1回
②CPDX 400mg、1日2回
③CFIX 400mg、1日1回
あたりになります。

日本のガイドラインはCTRX1gを1日以上(重症度による)になっています。外来でもCTRX1g1回のみでcureでくるようです。

投稿: 師範手前 | 2007年10月 3日 (水) 18時37分

師範手前さまそうですね。
>外来治療薬ですが、淋菌と判っているのであれば本邦の現状からキノロンは難しいと思います。
当院耐性率、調べてみました。
2年間で淋菌陽性者87件中、I・Rカテゴリーには34件の耐性が認められました(耐性率:39%)。やはり、現状を考えるとLVFXは使いにくい抗菌薬になってしまいましたね。

PS:お役にたてればうれしいです、頑張ってください。


投稿: 倉敷太郎 | 2007年10月 4日 (木) 10時27分

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