出血性腸炎のスメア
細菌検査に従事しているといろんな検査目的をもった検体に出くわしますよね。
細菌性腸炎、ウイルス性腸炎、薬剤性腸炎、出血性腸炎、虚血性腸炎・・・・。
その用途ごとに、培地の組み合わせを変更しないと合理的な検査は望めないのですが、臨床医をそんなことは考えてくれているのか不明です。私たちのアナウンス不足もあろうかと思います。
当院では明らかな細菌性腸炎以外には医師に目的を確認したり、スメアを見て状況を再確認しています。合理的なように思えますが、皆さんどうしていますか?
スメアは出血性腸炎ですが、意外に鮮血便が多く、外観で『O-157?』とも思える感じです。でもスメアでは判りません。O-157は意外に菌が見えないことも多いですので。
取り敢えず病歴の閲覧もそうですが確認が必要ですね。
背景にはキレイな赤血球は見えませんが、一部粘液のようなものが赤く見られて白血球も見えることが多いです。O-157の場合はあまり見えることが少ないように感じるのは私だけでしょうか?
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コメント
師範手前さま、すこしごぶさたしてました。
さて、このスメアは激しい下痢のあとなのでしょうか、細菌がぜんぜん認められないようですね。しかし、よ~く観ると3時方向の白血球ががかたまっているところに、芽胞状のものが集積しているように観られるように思います。全体に出血のあとのフィブリンによる、偽膜性のようにも思えます。
また、白血球の出現は、消化管の炎症の指標になりますね(非特異的ではありますが)。
抗菌薬関連腸炎か、院内感染(施設内感染)後の激しい出血を伴なう、C.difficile腸炎の印象を持ちます。
投稿: 倉敷太郎 | 2007年9月23日 (日) 11時11分