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2007年9月27日 (木)

尿の培養はきっちり採ってください

先日ICTから研修医向けに指導した内容です。当院の救急は2次救急が主体で、非常に忙しいです。血液培養の提出も多く賑わっています。血液培養陽性の多くは胆管炎と腎盂腎炎です。当院は発熱があると血液培養を採取するオーディットをチェックするシステムがありますので血液培養はコンスタントに採取してくれます。

最近少し気になるのが、急性腎盂腎炎の患者で血液培養は採取するのですが、尿培養を採り忘れる例が散見されるので『尿培養をきっちりと採取して下さいね!!』と指導しました。理由は、急性腎盂腎炎の場合に血液から検出される菌と尿から検出される菌の整合性を見るからです。尿路感染を疑いなお且つ発熱もある場合(CVA殴打痛+もそうですが)しっかりと尿培養も出して欲しいものです。前立腺炎も考えられる場合もありますし、他に大切な疾患が隠れているかもしれません。鑑別診断が難しくなることも考えられます。また、翌日に泌尿器科診察もスムーズに行くことが考えられますし。メリットは大きいです。

普通の病院であれば血液培養は忘れるが、尿培養は忘れないことが多いと思います。当院は反対です。ユニークかもしれませんが。尿沈渣で菌が見えたからなどという理由で、つい忘れてしまうこともあるようです。中間尿なので尿沈渣の場合はコンタミがどうかの判断も付きにくいと思うのですが、そういった教育もICTで必要でしょうかね。ちなみに、男性は普通に採取すれば良いのですが、女性はカテーテル尿が正確に検査できるそうです。

写真は先日、尿路感染を強く疑い血液培養陽性者のスメアになります。肝心の尿培養は採取出来ていません。培養の結果A群溶連菌でした。

えっ?A群溶連菌の腎盂腎炎?と思いサマリーを見ますが、患者背景からは伺えません。他の疾患はないか探しますが不明。『ちゃんと尿培養採取しておけば・・・』悔やまれます。

あるガイドライン見ていましたが治療期間です。

①女性の単純性膀胱炎・・・3日間

②男性の単純性膀胱炎・・・7日間

③急性腎盂腎炎・・・14日間

えらい違いです。的確な治療を遂行するにはちゃんと材料採取をするのが必然と思う症例です。

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コメント

師範手前さまお久しぶりです。
そうですね、発熱時の血液培養はもちろんのこと、尿培養は必ず採ってもらいたいと思います。
あとで、本当に後悔すること多いですね。
さて、中間尿などの採取方法ですが、以前当院ではICTを通して院内にお知らせをしました。
中間尿よりカテーテル尿の方が無菌的に採尿でき、コンタミを防ぎやすいと一般に考えられています。
しかし、カテーテル尿でもコンタミの混入を避けることは難しいかと思います。
カテーテルを挿入する際、手技不慣れにより、これが原因で膀胱炎など、逆に発症することも考えられ、当院では採尿時の方法を(一般成人女性の場合、陰部の適切な洗浄方法)、担当の看護師さんから、患者さんにしっかり説明してもらって、中間尿を採って貰っています。通常の尿培養であればほとんど問題はないように思っています。
当然、依頼伝票にはトマツ鏡検を必ずチェックしてもらい、コンタミなど取り直しが必要な場合には対応が必要と思われます。(遠心後の尿沈渣からではコンタミは区別つきませんよね)
もともとこのように採尿方法を変えていった理由はやはり、看護師さんの業務軽減が一番の理由なのですが。

昨日月1回の感染対策会議がありました、関係のある皆さまにご意見をいただきたいのですが。
実はもうかれこれ2年以上かかっているのですが、手術室のスリッパの履き替えは必要なのか。
皆さまどのように考えられているのでしょうか。CDCが新しいものでは1999年に公開した“手術部位感染防止のためのガイドライン”スリッパ履き替えにおける有効・無効には何のエビデンスも無い、と明言しています。
しかし、当院では以前よりスリッパの数が増えてしまいました。その原因は履きたい人は履いて下さいとICTからのお知らせで、1回履いてクリーニングに出す数が増えたため、今度はそれぞれの下駄箱まで用意しようかというところまで話が退行してしまい、元の木阿弥にハマっているのが現状です。
できればスリッパの履き替えは早急に廃止してもらいたいのですが。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年10月 2日 (火) 12時29分

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