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2007年9月 3日 (月)

ピットフォール:CLDMの感受性結果

今日はもう一つ。ネタがつまらないとブーイングされそうで。(余談ですが、最近のアクセルホッパーは手抜きですかね・・・。)

市中MRSA(CA-MRSA)では、β-ラクタム以外の抗菌薬に対して感受性がある場合が多いとの報告があります。実際米国でのCA-MRSAではEM感受性株が多いと聞きます。感受性試験には大体、EM、CLDM、LVFX、MINO、STなどの市中感染用の抗菌薬を同時に測定します。EMの誘導耐性が問題として最近採り上げられることが多くなってきましたが、知識では知っていても検査の方法を見たこと無い方も多いかと思います。

阻止円を測定して間接的に感受性結果を求めるディスク拡散法(KB法)を用いると写真のような現象が確認されます。これはMICを測定して感受性をしていると判らないのがポイントです。

EMの阻止円は無いのですが、CLDMの阻止円は外側(EMと反対側)が大きな円になっていますが、内側(EM側)は少し潰れた形に見えると思います。縦に阻止円が歪みローマ字の『D』型になっています。これが、EMの誘導耐性を証明する現象でこの場合は阻止円が判定値で求めると『感受性』になるのですが、歪みを観察することで『感受性→耐性』と判定値を変換する必要があります。Dの形よりDテストと呼ばれることもあります。ぶどう球菌以外にもB群溶連菌で確認が必要です。

なのでEMが耐性、CLDMが感受性だからと言ってCLDMを投与すると効果が悪い場合もあるので要注意です。(EM:感受性、CLDM:耐性←は感受性成績の間違いかも知れませんなあ。これも注意)

Djpg Dテスト

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま、お久しぶりです。
Dテスト、当院自動化して以来、CLDM耐性の確認をしていませんでした。
確かに、CA-MRSAの患者さんにとって重要な抗菌薬になることもあろうかと思います(外来での長期治療患者さんや、ペニシリンアレルギーの患者さんなどで)。
また、自施設各々で傾向もあり、施設毎にCLDM耐性傾向を調べることは重要ですよね(反省しています)。

研究会おつかれさまでした、準備に5ヶ月、皆さんの熱意に驚きました。
それぞれの施設でのアウトカムを期待できるよう、そのための実践など研究会で展開して行ければすばらしい事と思います。
いつか私も参加させてくださいね。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年9月 5日 (水) 17時29分

倉敷太郎さま
いつもコメントありがとうございます。マクロライド誘導耐性の確認をしないのは自動機器の功罪と思っています。以前県内で少し調べたので聞いてみます。少し多かったように思います。

研究会ですがまたよろしくお願いします。
でも次回の臨床微生物学会では『顕微鏡(め)で診る感染症』という、グラム染色から迅速に診断でき治療が奏功した症例など集めてプレゼンをする予定にしています。どうですか?
http://jslm2008.umin.jp/

ブログ見て参加しようとする兵はいらっしゃいませんか?

投稿: 師範手前 | 2007年9月 5日 (水) 20時52分

CA-MRSA重症感染症として、PVL(Panton-Valentine ロイコシジン)産生菌が欧米では問題になっていますが、日本ではPVL 産生菌は少なく、ET(exfoliativetoxin)産生菌が多いと言われていますね。
先日、当院NICUでSSSS(乳児熱傷様剥離症候群)様の患児が発生し、院内感染対策上でも大変重要なことと思っています。

また、CA-MRSAはHA-MRSA(多剤耐性)と違い、オキサシリン、ペニシリン、セフェム以外の抗菌薬に感受性活性がありますよね。
エリスロマイシンに一部耐性を示すことも日常経験します。
骨髄炎などで長期にわたり外来治療が必要な患者さんにとってもクリンダマイシンの耐性試験は必要ですね。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年9月 6日 (木) 12時39分

PLV-1産生のMRSAはたしか5-15%程度あるとの報告をもらいましたが。

CA-MRSAですが、mecAの移動のみになりますので通常の耐性が無いのが殆どじゃないでしょうか?あくまで推測ですが。でも本邦のMRSAは米国に比べAMKやEMの耐性化が強いので感受性検査の重要性がもう少し強いと思います。
RFPやSTの使用については奏功する場合も多いです。

投稿: 師範手前 | 2007年9月 6日 (木) 17時12分

師範手前さま大変勉強になりました、ありがとうございます。
そうですか、PVL産生のMRSAは5-15%思っていたより多いですね。
皮膚感染症であるせつとかで多く、皮下膿瘍や壊死性の感染症などでもPVL産生黄色ブドウ球菌は多数検出されているのでしょうか。
また、PVL産生黄色ブドウ球菌による市中肺炎なども、塗抹検査の迅速な活用、大事ですね。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年9月 7日 (金) 12時29分

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