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2007年8月27日 (月)

インフルエンザ菌の多形性

インフルエンザ菌はグラム陰性の短桿菌で、肺炎の場合は喀痰スメアではバラバラと散らばった像が確認できると思います。参考書等見ると多形性を示すと記載もあり気をつけて見るようになりました。一部それらしき像が見えていましたので紹介します。

染色性は確かにインフルエンザ菌と同じで、貪食も見られました。確かに翌日インフルエンザ菌が一面に発育していまして、臨床症状とも合致していました。

髄液では状況にもよりますがやや菌が伸びたものも確認されることがありますが、一般にこのように延伸しているものは抗菌薬の影響だけかな?とも思っていましたが、通性好気性菌でもこのように多形性を示すことがあるということが確認されました。へえ~~。

違いが判らないと仕方ないので、典型的な菌も置いておきます。

Photo 典型例

1 フィラメント化

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さまおつかれさまです。
インフルエンザ桿菌の多形成、そうですね。
球菌状なのや小桿菌、少し長めの桿菌と多形成なこと多いですね。
中耳炎の気炎菌のほとんどは莢膜を欠くタイプが多く見られ、小児の髄膜炎、敗血症など侵襲的なものは莢膜を持つtypebが多いですね。このtypeの違いは形体的なものにも影響あるのでしょうか?

細菌検査に来られる研修医の先生や、学生の実習では、インフルエンザ桿菌の多形成の説明や、どの菌でもそうですが、菌の大きさ、染色性、形など同一菌におけるバリエ-ションをたくさん観てもらう事もとても大切なことと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月28日 (火) 15時23分

倉敷太郎さま。熱いコメントありがとうございます。莢膜血清型の件ですが一般に問題になるのがb型です。当院も良く検出されます。b型ですが髄膜炎、敗血症などの重症感染症のほかには頬部の蜂か織炎からの検出も多いです。しかし、肺炎、気管支炎などの上気道由来ではb型でない場合が多いようです。神経や軟部組織に結合しやすいのですかね。今はb型でもBLNARが検出されるようになってきましたので非常に治療が難渋しますね。
当院で珍しいかったものはe型の髄膜炎とROB-1型βラクターゼが出たことくらいです。第一選択はCTRX/CTXで殆ど問題ありません。
先日からこのブログを書いていて思うことですが、職種によって染色の見る角度、見方など違うことです。考え方も違うし、飲み込み方も違います。検査技師の目線と医師の目線は少し食い違えているような感じ受けます。今週大阪でグラム染色の研究会あるので楽しみにしています。

投稿: 師範手前 | 2007年8月28日 (火) 19時01分

師範手前さま、コメントありがとうございました。
BLNARの問題微妙ですね、それと個人的に思うのですが経口薬治療されている方で、中途半端な服薬によるものか分からないですが、インフルエンザ桿菌は壊れにくい菌のように思われます。身は小さく半人前のように見えますが、これが中々曲者ぽっい感じ持つのは私だけでしょうか。いったん良くなってしばらくするとまた悪さするような、特に大人の方で見られるように思われます、基礎疾患ないのに?

確かに医師の目線と検査技師の目線少し食い違えているような感じ私も受けます。
最近こういった研修医の先生方にグラム染色は迅速で確実な検査法であることを感じてもらえるために。
例えば、朝検体を取ってもらい、グラム染色・培養をし、抗菌薬治療を始めてもらいます。だいたい5~6時間後に再度検体を出してもらいグラム染色の結果を報告します。抗菌薬活性ヒットならほとんど菌は消えているか、名残を残していますよね。先生方はこういったことには非常に興味をもたれるみたいです。
抗菌薬の有効性、培養を待たなくてもグラム染色を活用すれば迅速な初期治療計画ができ、失敗を少なくすることができることをアピールして行きたいと思っています。
グラム染色の研究会ですか楽しそうですね、また内容等ご披露お願いいたします。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月29日 (水) 11時31分

倉敷太郎さま

インフルエンザ菌が壊れにくい。確かにそうですね。でも陰性桿菌でPBP変異が表立って問題になっているのはインフルエンザ菌だけではないでしょうか?つまり、何の耐性もないインフルエンザ菌は溶菌するのが早いけど、BLNARが多くなってきているので壊れにくく感じることはないでしょうかね?私はそう解釈していますが。
でも、抗菌薬の薬効評価を数時間後に判定しているのは良いことです。実験的にはしたことがありますが、中々ルチンでしていこうと思うのは院内のチームワーク(医師、看護師、検査技師など)の能力が長けていないと出来ないことですね。
そういった意味でも今回の研究会のあり方は関心があることです。

投稿: 師範手前 | 2007年8月30日 (木) 19時01分

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