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2007年8月 9日 (木)

材料はいつまで有効なん?喀痰のスメアから・・・

本日気付いたことですが、このブログですがお蔭様で本日94個目の掲載になっています。当初予定していました、道場百人組手まであと6つになりました。皆様の支えなくてはここまで続けてなかったと思います。ありがとうございます。まさにバリー・ボンズの心境です。来週には記念すべき100個目の掲載ができようかと思います。

本日は1人の喀痰を見せます。腸結核と診断され呼吸器科に併科(当院は結核病棟もあるので)になった患者です。一応、喀痰の採取指示があったそうですが、当日は入院予約をして2日後に入院になりました。検体未到着だったので主治医に『喀痰採れていないですよ。』と言って採取してもらいました。一応結核にはMRSAが同居しているので、結核の検査とMRSAの入院時チェックです。

来た検体(一応P3)を見てますと『???何か変?』と感じました。まあその場は結果判定してオーダーで報告しましたが、しばらくするとまた同じ検体が・・・。先生にまた同じの出てきましたが、どうしましょう?』というと、さっき送ったのは患者が2日前に家で採ったやつみたいで・・・』と。後からの検体(一応P2)も一応処理しました。その間は何も抗菌薬投与していません。

2つのスメア並べます。2日前のスメアで変?と思ったのが白血球が鮮明でないこと。細胞があったのは判りますが、核や細胞質がベターとしていて死滅しかけ?と取れる像でした。なので、2日前のは『えらい古い炎症やなあ?』というのが感想です。当日採取されたものと見比べて下さい。本日のスメア白血球が鮮明です。違いが一目瞭然でしょう。

抗菌薬投与後の検体もそうですが、日にちが経ちすぎている材料も良くないですね。スメアで検体不良と思われれば、コメントで記入するか、採り直しがきけば採りなおすのが賢明です。

白血球は体外に放出されても貪食能はしばらく続くそうです。なので結核の喀痰処理は当日にした方が検出率が高いそうです。みなさん材料の処理は早めにすることと、病棟、医師にはそのことがあると教育することが大切ですよ~~~。

2600 2日前の喀痰

600 本日の喀痰

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コメント

師範手前さま
いつもきれいな写真ありがとうございます。新しい検体のスメアをきれいに染めると美しいですね。自分はなるべく自分で検査室へ運んで自分でそめるようにしています。また、研修医の先生や学生さんには「感染症を疑って検体採取したら即座に自分で染めることを習慣にできるとよく、自分にとっては朝起きて顔を洗う、トイレに行ったら手を洗う、とほとんど同義である」と伝えています。忙しくてもトイレの後には手を洗いますよね?みなさんよい生活(診療)習慣をみにつけましょう。

ところで、痰などのグラム染色を行うとき、時間がなくてドライヤーの強風で急いで乾燥させてあわただしく染めることが多いのですがそういった場合には好中球が壊れていたりフィブリンもきれいに見えなかったりするように思います。自然乾燥・アルコール固定では時間がかかりますし・・・炎症背景をきれいに・かつなるべく短時間で染めるためのコツや注意点などがありましたら、ご教示いただければ幸いです(ブログのどこかにすでに出ていたかもしれませんが・・・)よろしくお願いいたします。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年8月11日 (土) 11時31分

総合内科医志望さま
臨床医と言えないような視点での質問ありがとうございます。検査技師でもやり始めはそこまで理解できませんよ。私の経験になりますが、良いでしょうか?
昔(10年くらい前まで?)は火炎固定もありました。ただ、細胞などの背景も考慮し始めたのが5-6年前になろうかと思います。それからはメタノール固定を薦めています。細胞の変性が少ないのと背景がキレイです。ドライヤーでの乾燥固定は火炎固定の変法になろうかと思いますので細胞変性(蛋白変性)はキツイと思います。なのでお勧めしていません。ただ、先生が臨床の場で時間が無い状態での把握は菌名のウエイトが高いと思いますのでその場合は火炎固定も仕方ないかなと思います。ドライヤーも温風は止め冷風にすると少しましになろうかと思いますので試してください。乾かす=温風は髪の毛の応用ですので相手は生物です。原虫相手だとダメだと思いますよね。微生物学を極めてくるとドライヤーによる固定は原則タブーになろうかと思います。上述しましたが、やはり臨床あってのグラム染色なので優先性を判断して迅速に菌名の判定が必要なら温風ドライヤーの乾燥も必要でしょう。ただし、バイオハザード対策には十分注意して下さい。結核の場合は菌に脂質を多く含みますのでエアロゾルを吸い込まないようにマスク着用が前提ですし、吹き込みの向こう側に研修医など居たら大変なことですので。あくまでも人に向けないような指導も必要でしょう。あと、スライドガラスの問題ですが、スライドガラスも安いやつははがれ易いので固定がしっかり必要です。シランコーティングして剥がれ難くしたもの、蛍光染色できないものなど用途によっては厳密には区別必要です。細菌検査の方より病理の方の方が詳しいかと思います。当院のは松波ガラスのS-2217ってのを使っています。道場の写真はすべて自然固定ですので美しいのかもしれません。非常に剥がれ難く蛍光も可能なので重宝しています。武藤のガラスは自然固定でははがれ易いものが多いように思います。工夫が大切かもしれません。答えになってますか?

投稿: 師範手前 | 2007年8月13日 (月) 16時51分

師範手前さま
ご教示ありがとうございます。迅速性を優先すると染色性が犠牲になってしまうことはある程度いたし方ない、ということですね。今後はドライヤーの使用方法に少し気をつけてやってみることにいたします。やはり上手な技師さんがやると自分では見えなかった菌がいたりしてくやしいことが時々あります。まだ練習・経験がたらないのだろうと思っております。グラム染色の有効性と限界をしりつつ臨床判断に生かせるようになりたいと思います。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年8月15日 (水) 08時27分

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