グラム陽性の大型桿菌を見比べましょう
本日は血液培養陽性が何例も続きました。その中でグラム陽性桿菌が2例出ました。
症例1:特記すべき既往などなし。左手の紅斑主腫を認め発熱もあり。血液培養を2セット採取しましたがそのうちの1本(好気ボトルのみ)陽性になりました。溶血は特になく、ガスの産生もありませんでした。
症例2:発熱を来たした直腸穿孔術後7日目の方です。下痢と発熱が主症状です。血液培養を採取して1セットのうち1本陽性(嫌気ボトル)になりました。血液は溶血し、ガスも内部に貯留していました。
症例1はスメア+好気ボトルのみに発育があることBacillusの可能性があり、症例2はスメア+嫌気ボトルのみ発育があることからClostridiumの可能性が高いことが直ぐに理解できますか?
下記にスメア掲載しますが見比べて下さい。
症例1の方はやや菌の辺縁が丸みを帯びています(何回も見ると判ります)
症例2の方はやや菌の辺縁が角ばっています。(何回も見てください)
培養したらわかりますが、次の日が待てる状況もあります。Clostridiumであれば重症化すする危険性が高いですが、Bacillusであればコンタミのルールアウトが必要です。同じようなスメアでも大きく分岐する点です。人生ゲームで言うと最後の升目くらいになることもあるでしょう。怖いですね。
| 固定リンク
「グラム陽性菌」カテゴリの記事
- E, faecalisとE. faeciumを分ける理由(2018.09.13)
- これは重症肺炎か? その1(2017.05.19)
- Corynebacteriumの同定と感受性はどうしているのか?(2016.03.06)
- 球菌に見えない連鎖球菌(2015.06.24)
- 今だから多い小児の細菌性髄膜炎でののGBS(S. agalactiae)について(2015.05.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント