« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月31日 (金)

グラム染色の研究会

日曜に『グラム染色から学ぶ感染症診断・治療研究会』が大阪で開催されます。

私も世話人で参加させてもらう予定ですがドキドキです。初めての企画(全国的に見ても?)なので上手くいくでしょうか?実際にグラム染色を見て貰い自分で回答したり、カメラ付きの顕微鏡でのレクチャー、グループディスカッションしたりと盛りだくさんの企画です。感染症や感染管理に興味のある医師、研修医、看護師、臨床検査技師、薬剤師さんが総勢80名近くになりました。皆さんでこのような基礎医学に関して興味をもたれて共学することは非常に有用だと思っています。

また、感想は報告しますね。

今日は初心者が陥り易いものを掲載します。

アーチファクトですが、もちろん染色には無機物を使いますので色素の結晶などはつき物です。写真はクリスタル紫の結晶です。夏場は室温も影響してか見られないことが多いのですが、冬場はさすがに染色液も冷え切っていますので良く見られます。染色する前には少し温めて(人肌程度)使用すると、塊もなくキレイに染まります。バーナーで決して炙ったり、レンジで”チン”は危ないのでしないで下さいね。直ぐに使用しないでお湯なので加温して下さい。

クリスタル紫の結晶は、キレイな長い結晶になります。染色を見慣れないうちはグラム陽性桿菌に間違えても可笑しくないのかもしれません。間違いもそのうち糧になりますが間違いのまま進めば恐い話です。

Photo_2 

| | コメント (0)

2007年8月30日 (木)

エンテロバクター(Enterobacter spp.)

下腹部の感染症や複雑性尿路感染症などの起炎菌でエンテロバクターがあります。主にはEnterobacter cloacae、Enterobacter aerogenesがあると思います。一時期は高カロリー輸液の汚染で問題になっていましたが・・・。この菌はペニシリンは勿論ですが、第1~2世代までは自然耐性を示すことが多く、たまに3世代セフェムも耐性化しています。βラクタマーゼ゙の産生が多いことが指摘されています。つまり、初期治療で使用頻度が高いと思われるCTRX、CTX、CAZも分解してしまうのが問題です。培養ではKlebsiellaと非常に類似した集落を形成してくるので判りつらいこともしばしばあります。

このスメアは典型例ですが掲載します。血液培養です。

エンテロバクターのスメア上の特徴。

①短桿菌

②染まりが良い(インフルエンザに比べ濃い&大腸菌の様な染まり)

③莢膜の存在が有意義に確認できない

などなど・・・。

この患者は前回の入院時にエンテロバクターの尿路感染があり、今回同一ヒストリーで入院してきました。UTIセプシスで初期治療はIPMで開始していましたが、De-escalationも・・・と思いたちました。がさすがに上記のような傾向がある菌なので、3世代セフェムにDe-escalatioとスメアをもって言い難い症例です。もう少し長い(大腸菌)または莢膜が多い(肺炎桿菌)場合は3世代も有効かと考えるんですがね。リスク高いでしょうか?

Photo ×1000

| | コメント (4)

2007年8月28日 (火)

好評につきアップしてみました

本日はスメアではありません。培養の前の段階です。

院内雑誌の投稿のため、以前に学生実習の課題としてまとめていたデータをまとめて公開したら院外の方にも好評だったので掲載してみました。それは素朴な疑問から生まれたものです。

喀痰採痰された後のことですが口臭が気になるのか、液体ハミガキをしてから痰を採られる患者様が居られるように思うことがあります。検体処理する時に疑問を感じていたのですが、『薬用と記載のある口臭衛生薬は、菌検査にどう影響を及ぼすのだろう・・・。』、『薬用ハミガキってどれでも良いのかな??』と皆さん感じてませんでしょうか?

だったら少しデータを取ってみようと思い、実験してみましたら以下の通りになりました。

今回の検討のポイントは①殺菌力②爽快感③価格です。 みなさんどうでしょうか?

(単なる実験データです、爽快感などは個人的な意見で世襲を表したものではありません。またデータの取り扱いにはご注意して下さい。転記転載はご遠慮下さい。)

1

| | コメント (0)

2007年8月27日 (月)

インフルエンザ菌の多形性

インフルエンザ菌はグラム陰性の短桿菌で、肺炎の場合は喀痰スメアではバラバラと散らばった像が確認できると思います。参考書等見ると多形性を示すと記載もあり気をつけて見るようになりました。一部それらしき像が見えていましたので紹介します。

染色性は確かにインフルエンザ菌と同じで、貪食も見られました。確かに翌日インフルエンザ菌が一面に発育していまして、臨床症状とも合致していました。

髄液では状況にもよりますがやや菌が伸びたものも確認されることがありますが、一般にこのように延伸しているものは抗菌薬の影響だけかな?とも思っていましたが、通性好気性菌でもこのように多形性を示すことがあるということが確認されました。へえ~~。

違いが判らないと仕方ないので、典型的な菌も置いておきます。

Photo 典型例

1 フィラメント化

| | コメント (4)

2007年8月24日 (金)

放線菌

今日は少しマクロな標本です。先日知り合いの家族の咽頭に白苔様のものが付いてと言われ採取した病理の染色標本を持って来られました。HE染色を見てみるとこのような所見でした。

内部は壊死したものでその外周には外側に広がった隔壁の無い組織?です。早速『放線菌では?』と見えたとおりに言いました。以前にも少し病理の先生にも教えてもらったのがタメになった瞬間でしたが、そうです放線菌です。

放線菌と言っても細菌学ではActinomycesが代表ですが、病理では放線状に伸びる菌のことを指すらしいです。(私は細菌検査所属で)なので細菌検査の放線菌病理検査の放線菌と考えます。

1年に数例でますが、druseと呼ばれる硫黄顆粒を見つけスライドガラスで磨り潰して見ます。グラム陽性桿菌ですが放線状に伸びたものが確認されます。Actinomycesの培養は3-4日もかかり白い乾いた集落が見れます。同定は難しく市販の同定キットでの同定精度は非常に悪いので気をつけることですね。

拡大した写真では菌がヒョロヒョロと伸びた像が確認されるかと思います。周囲に隔壁を持ったように見えるのが特徴のようです。たまには細菌以外のスメアも新鮮です。

2 弱拡大

4 強拡大

| | コメント (3)

2007年8月22日 (水)

頚部リンパ節膿瘍

今日は先日出た頚部リンパ節膿瘍です。

まあ、リンパ節の主張と言えば色々ありますが、さすがに数cmの大きなものになりますと膿瘍を疑う訳で、CTなど撮影します。膿瘍が確認できれば穿刺吸引して病理検査や細菌検査をすると思います。

今回は36歳の男性です。3cmのリンパ節膿瘍が見られ穿刺吸引しました。最近は頚部リンパ節結核も多く当院では、グラム染色、抗酸菌染色、結核菌PCRなど良く出ます。一応掲載しますが、前回の子宮内膿瘍と同じくグラム染色では、核の無い(見えにくい)白血球と背景には残渣のような古い膿瘍が確認できます。普通細菌感染した場合は(抗菌薬の投与が無い場合ですが)菌もキレイに菌も見えます。***①

しかし同時に抗酸菌染色した場合にはこのように抗酸菌も確認できることがたまにあります。膿瘍自体の飛沫が無い場合では問題なく染色もできますので、グラム染色の次はトライしてみましょう。ただし、換気が良いところで、N95マスクは着用して下さいね。加温という操作が入りますがそこはアルコールランプを購入してスライドの裏面から緩く暖めてください。沸騰させずに少し湯気が立つくらいです。***②

掲載しておきますね。

でも、結核の診断もつくと良いのですが、その他考えないといけない内容・診断などはないのでしょうか?一応ICTとして助言する内容も多いかと思いますが。

600 ①グラム染色×1000

600_2 ②チール・ネルゼン染色×1000

| | コメント (3)

2007年8月20日 (月)

100回目です。プチ自慢

記念すべき100回目の掲載します。

昨日(先週?)から何にしようかと考えていましたが、そもそもICT活動の一環としてグラム染色がいかに有効活用されているのか?されるべきか考えてきたブログなのでICT活動としての内容にします。

当院では毎年の優秀職員を対象に表彰をしています。個人表彰および団体表彰があります。今まで院内の運営に寄与・貢献してきた団体や学会等で表彰された方を中心に表彰される傾向があります。悪く言いますと『飴と鞭』です。

今年度に当院のICTは優秀職員表彰(団体)を頂きました。理由は院内感染の抑制、感染症例のコントロールを率先してしてきたことが評価されたみたいです。(個人的には昔頂きましたのもプチ自慢です)

当院は感染症の専門科や専門医も今は居ない施設でありICTが実質のコントロールを実施しています。私は臨床検査技師という職業で採用されていますが、ヒョンなことで昨年より管理者をさせて頂いています。今回の表彰の裏側には、昨年までICTを支えて頂いたY先生他、今も私をサポートしてくれる皆さん、私も含めICTメンバーの活動や協力してくれる職員、それに対して耳を傾けてくれる診療科をはじめとした職員の敷居の低さにいつも感激しています。病院に足を向けて寝ないのがモットーです(笑)

やはり、活動をしているからには評価される対象でなければいけないと日々思っています。良い評価も必要ですが、私は悪い評価をして欲しいと良く思います。改善すべき事項、今後の課題など進歩が早いような気がするからです。もっと患者に良い医療を提供できるには何をすべきか常に考え続けれるICTとして活動していきたいと思います。

せっかくなので表彰状を写しましたので掲載しておきます。

Dsc01122

| | コメント (2)

2007年8月17日 (金)

グラム陽性の大型桿菌を見比べましょう

本日は血液培養陽性が何例も続きました。その中でグラム陽性桿菌が2例出ました。

症例1:特記すべき既往などなし。左手の紅斑主腫を認め発熱もあり。血液培養を2セット採取しましたがそのうちの1本(好気ボトルのみ)陽性になりました。溶血は特になく、ガスの産生もありませんでした。

症例2:発熱を来たした直腸穿孔術後7日目の方です。下痢と発熱が主症状です。血液培養を採取して1セットのうち1本陽性(嫌気ボトル)になりました。血液は溶血し、ガスも内部に貯留していました。

症例1はスメア+好気ボトルのみに発育があることBacillusの可能性があり、症例2はスメア+嫌気ボトルのみ発育があることからClostridiumの可能性が高いことが直ぐに理解できますか?

下記にスメア掲載しますが見比べて下さい。

症例1の方はやや菌の辺縁が丸みを帯びています(何回も見ると判ります)

症例2の方はやや菌の辺縁が角ばっています。(何回も見てください)

培養したらわかりますが、次の日が待てる状況もあります。Clostridiumであれば重症化すする危険性が高いですが、Bacillusであればコンタミのルールアウトが必要です。同じようなスメアでも大きく分岐する点です。人生ゲームで言うと最後の升目くらいになることもあるでしょう。怖いですね。

400_3 症例1(×400)

400_4 症例2(×400)

| | コメント (0)

2007年8月16日 (木)

子宮内の膿瘍です

子宮がんのフォローをしていましたが、発熱と腹痛を訴え再入院しました。低エコーを認めCTで膿瘍が見つかりました。早速穿刺してグラム染色です。一応血液培養も入院時に採取しておきました。その時のスメア掲載します。

膿瘍ですが思ったより新鮮でないのが判るかと思います。白血球の核が不鮮明なものが多いどころか白血球も古いのが多く存在します。周りは新鮮でない炎症物質も見られますので、ぐずぐずとした炎症が継続していたと思われます。何か抗菌薬の内服をしていたのか?症状がいつごろから出てきたのか聞かないといけませんね。

菌はやや変形していますが、グラム陰性桿菌が確認できると思います。どうでしょうか?

200 ×400

600 ×1000

| | コメント (16)

2007年8月14日 (火)

5歳と3歳の姉妹

先日こんな症例ありました。5歳と3歳の姉妹なんですが、2人とも帯下が増えたとのことで当院産婦人科に受診となりました。とりあえず膣分泌物のスメアを掲載しておきます。細菌室の内部でも2-3の起炎菌を想定しましたが、出てきたらそのうちの一つでした。何を考えましょう?

姉は近くの幼稚園に通い、妹は保育所に行っています。

スメアを見て主治医に何て相談しましょうか?でも良くある菌だったら・・・と色々考えます。その後どうしましょう?とりあえず培養ですかね・・・。

2600 5歳姉

2600_2 3歳妹

| | コメント (6)

2007年8月13日 (月)

プロカルシトニンの簡易キット

重症感染症の炎症マーカーとして最近『プロカルシトニン』についてのセミナーなど聞かれるようになってきました。さて、プロカルシトニンって何?と思われる方もいらっしゃると思いますので少し解説を。

①起炎微生物の診断に

 『プロカルシトニン』は甲状腺のC細胞で分泌されるペプチドでカルシトニンの前駆体になります。それが、細菌や真菌の感染で産生されたTNF-αなどの炎症性サイトカインの刺激を受け、肺、肝臓や筋肉などの臓器で血中プロカルシトニンが増加します。一方、ウイルス感染ではインターフェロンγがプロカルシトニンの産生を抑制するために増加しないことが知られ、ウイルス感染か細菌感染かの鑑別にも有用であるとの報告もあります。

②敗血症の診断に

次に細菌感染の場合は肺炎などの局所感染の場合にはプロカルシトニンの産生量は少ないが、敗血症などの全身性の重症感染症が引き起こされるとプロカルシトニンの濃度が高くなります。なのでプロカルシトニンの濃度により細菌感染の状況を把握することが可能になります。

③炎症性マーカーとしての有用性

プロカルシトニンは感染症の早期から血中濃度の増加が始まり12時間ピークになる。また半減期も長い(22時間)ので長時間血中濃度た高い状態を保てる。CRPのピークは24時間になるので、CRPよりも早期に炎症反応の把握に用いることが出来る。また、ステロイドや白血球、抗がん剤の影響も受けないので有用性が高い検査と言えるようです。

先日PCT-Qという簡易キットが日本でも発売されました(http://www.wako-chem.co.jp/rinyaku/products/pct/pct-q.htm)がテストラインの色調によりプロカルシトニンの濃度が判定量可能だそうです。血清600μl滴下(同封のスポイドで3滴)するだけです。重症の敗血症では10ng/ml以上となるケースも多く、局所感染、オカルトの菌血症であれば<2ng/ml以下、菌血症の場合は>2ng/ml、<10ng/mlになる場合が多いそうです。色調は同封の色見本で見比べるようです「PCT-Q.pdf」をダウンロード 

先日当院でも少ししました。一過性の肺炎球菌菌血症例と肺炎桿菌の肝膿瘍例(血液培養陽性)です。肝膿瘍例では少し陽性ラインが検出されていますが、濃度が濃くないのですが陽性なのでこの場合は菌血症になろうかと思います。血液培養の結果が今判明しなくても直ぐにわかります。

本当に有用性が高いか検証していかないといけませんね。でもこの値に捉われると感染症の診断に返って混乱を招く恐れもあるので、必要な時に使って見ると良いでしょう。

Pct プロカルシトニンの測定(PCT-Q)

| | コメント (2)

2007年8月10日 (金)

血便襲来

先日キャンピロバクターの便を見せましたhttp://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/2_936f.htmlがあれが表現では粘血便、マーブル様の便です。少し違う血便も掲載しますが、違いを認識して下さい。GE腸注した後でも判ります。単に漠然と『血便』とカルテに記載しても良いのですが、少し便の性状について具体的に記すのも有用な臨床情報となります。今回は鮮血便ですが、O-157の時に出易いと言われています。また、潰瘍性大腸炎などでも出るのでしょうか?皮疹では少し違いと書くことが多いですよね。同じことです。少し見比べてくださいね。

Photo_21 粘血便(マーブル様便)画像が小さいので(http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/2_936f.html)も参照して下さい。

Photo 鮮血便

| | コメント (0)

2007年8月 9日 (木)

材料はいつまで有効なん?喀痰のスメアから・・・

本日気付いたことですが、このブログですがお蔭様で本日94個目の掲載になっています。当初予定していました、道場百人組手まであと6つになりました。皆様の支えなくてはここまで続けてなかったと思います。ありがとうございます。まさにバリー・ボンズの心境です。来週には記念すべき100個目の掲載ができようかと思います。

本日は1人の喀痰を見せます。腸結核と診断され呼吸器科に併科(当院は結核病棟もあるので)になった患者です。一応、喀痰の採取指示があったそうですが、当日は入院予約をして2日後に入院になりました。検体未到着だったので主治医に『喀痰採れていないですよ。』と言って採取してもらいました。一応結核にはMRSAが同居しているので、結核の検査とMRSAの入院時チェックです。

来た検体(一応P3)を見てますと『???何か変?』と感じました。まあその場は結果判定してオーダーで報告しましたが、しばらくするとまた同じ検体が・・・。先生にまた同じの出てきましたが、どうしましょう?』というと、さっき送ったのは患者が2日前に家で採ったやつみたいで・・・』と。後からの検体(一応P2)も一応処理しました。その間は何も抗菌薬投与していません。

2つのスメア並べます。2日前のスメアで変?と思ったのが白血球が鮮明でないこと。細胞があったのは判りますが、核や細胞質がベターとしていて死滅しかけ?と取れる像でした。なので、2日前のは『えらい古い炎症やなあ?』というのが感想です。当日採取されたものと見比べて下さい。本日のスメア白血球が鮮明です。違いが一目瞭然でしょう。

抗菌薬投与後の検体もそうですが、日にちが経ちすぎている材料も良くないですね。スメアで検体不良と思われれば、コメントで記入するか、採り直しがきけば採りなおすのが賢明です。

白血球は体外に放出されても貪食能はしばらく続くそうです。なので結核の喀痰処理は当日にした方が検出率が高いそうです。みなさん材料の処理は早めにすることと、病棟、医師にはそのことがあると教育することが大切ですよ~~~。

2600 2日前の喀痰

600 本日の喀痰

| | コメント (3)

2007年8月 8日 (水)

本日は非常にレアな症例をお見せしたいと思います

症例:78歳女性。HCCが基礎にあり、2年前に結核。昨年にHCCの肺転移を認めフォロー中でした。乾性咳嗽が日頃からありましたが、今回は下痢と湿性咳嗽が酷く、肺に結節像を認め呼吸困難を来たし来院。主治医から結核の再燃か早く見てほしいと依頼。喀痰はM&Jの分類にてP3で良い痰でした。結局抗酸菌の塗抹は集菌法で陰性。一応、一般細菌も見てみようと思いこっそりしてみました。(結局細菌の依頼もありましたが・・・)。それがこのスメアです。

スメアは判りにくいですが、白血球は少なく、円柱上皮の剥離が酷く、またN/C比が大きく、核が偏在しないものも。HCCの肺転移したものかな?末梢血の白血球数は2000/μlまで低下しているので、喀痰に見れないかな?とも思いました。次いで菌を見ることにしました。グラム陰性の桿菌が多く見えると思います。大腸菌かな?とも採れるスメアですが菌体が少し濃い(しっかり染まり)ので緑膿菌やインフルエンザ菌では無いようです。まあ培養結果待ちです。

次の日に出てきたのはなんと!!

次の写真のような集落が・・・。そうです、サルモネラ菌です。(DHL培地というグラム陰性桿菌用の選択培地で硫化水素産生するサルモネラは黒くなります。)

随分前になりますが近隣の施設でサルモネラの肺膿瘍があったことが頭によぎりました。全身感染症なので当たり前なのかな?と思い、主治医に連絡しましたが『そんなことあるんですか!?』と想定外の驚きのようでした。一応文献渡し(HCCがハイリスクになって肺炎になる症例のもの)てCTRXを開始(十二指腸の閉塞もあったので)しました。患者は特に変わった飲食歴は無かったのでキャリアだったのかもしれません。

こんなこともあるんだな?と経過見ています。

このスメアでは何とも何とも・・・。培地と掲載しておきますね。

400×400

Photo 喀痰から分離された菌

| | コメント (2)

ドラクエ(ポケモン)と感染症の治療方法の比較検討

少し思っていたことですが、しょうもないので聞き流して下さい。なので必ず右耳で聞いてください・・・。

抗菌薬はその病原微生物に対して効率が良いものを選択するとは思います。それを少し医療以外の例えで考えました。

ドラクエ(判らない人はポケモン)と感染症治療の比較を無理矢理してみました。

①ドラクエ

ドラクエ世代の方は判るでしょうが、勇者が冒険を始めて最初に覚える呪文ですが、『メラ』です。メラは火系の呪文で相手に火の玉を当てて攻撃する攻撃型呪文です。その他の攻撃型呪文には『ギラ:雷系呪文』、『ヒャド:氷系呪文』、『バギ:風系呪文』、『イオ:爆発系呪文』が主なものです。皆さんはまず敵を見て火系のモンスターであればヒャドかバギを使うと考えますよね。決してメラ、ギラは使わないと思います。でも、敵が何系?と思う場合はイオを使うことはないでしょうか?それとも使い易いギラの進化系呪文の『ベギラマ』でしょうか?ベギラマとイオのHPは殆ど変わりないのですが、衝撃度はベギラマの方が良いと思います。じゃあ、最初から皆、ベギラマで・・・と思いますが、相手が雷に強いモンスターであれば良くないですよね。じゃあ、イオの進化系の呪文『イオラ』であればどうでしょうか?とドンドンescalationしていきます。医療も同じ現象が起きていませんか?攻略本があれば敵の弱点は見出せますので、効果的な攻撃もスムーズに出来ます。攻略本は医療で言うと”Antibioglam”であり、各種ガイドラインになるのでしょうかね?ただし見かけが同じでも、少し違う攻撃や弱点をもつモンスター(キメラとメイジキメラみたいなもの)も居ますので、相手を良く見て確実に戦うのが効果的ではないでしょうか?

②ポケモン

ドラクエが判らない人用です。

ピカチュウは雷ポケモンです。なのでコイキングなどの水系ポケモンに相性が良く効果的な攻撃が可能です。でもサンドのような土系ポケモンには無効です。そこで重要なのが相手の特性です。良いポケモンマスターなら、こちらの攻撃の方針と相手の弱点を見極めて対戦しますよね。大人が子供相手にポケモンバトルをすると直ぐにやられますよね。攻略本を参考にすると良いのですが、字が読めない場合は・・・経験ですよね。これも少し医療に当てはまるような気がします。考えすぎでしょうか?

ポケモンの相性表見つけたので添付しておきます。抗菌スペクトルのようですね。

しょうもないつぶやきですが、同感の方コメント下さい。

Photo

| | コメント (2)

2007年8月 7日 (火)

抗菌薬の適正使用(De-escalation) 

今日は化膿性脊椎炎の患者です。2年前に脊髄損傷のため脊柱の手術をしました。術後も順調でしたが、先日発熱と背部痛のため来院されました。まあ、人工物の脊椎炎かな?と思いましたが、すぐに手術まで踏み込まず1日温存です。血液培養だけは採取を押しました。次の日に陽性となり、その時のスメアです。

抗菌薬の投与状況見ましたが、でも何故か・・・。初期治療はDRPM・・・。何故か良く遭遇するのですが、他院で色々中途半端に使用してきているので、菌が特定できないこと、事前に抗菌薬が投与されていることが判ることなどからカルバペネムを初期で使用しないといけないケースもあるようです(ホント!!??)と思いますが、主治医が行うことですんで少し経過を見ていることが多いです。菌が判明すれば直ぐにDe-escalation実施です。

さてこれは、他院ではCEZ2g/分2/日を3日間したあとです。初期治療は何が妥当なのでしょうか?

Mssa

| | コメント (4)

2007年8月 6日 (月)

第5回静岡若手医師のための感染症セミナーに参加してきました

土曜日は『第5回静岡若手医師のための感染症セミナー』http://blog.livedoor.jp/lukenorioom/に無理言って参加してきました。今回無理言って参加させてもらった目的は”今現在ICTの責任者として行っている診療支援についての確認と自分の考え”について確かめたかったんで。まとめると・・・

①今までの対応で考えること

②今確認すべき内容

③今後必要な(今足りないこと)対応

です。静岡赤十字病院の長浜先生、静岡がんセンターの大曲先生他感染症科の先生ありがとうございました。

グループディスカッション方式で、はじめに『グループで年長者の方がまとめ役して下さい』と言われ買って出ましたが、皆さん臨床の1線で活躍されている若手医師や学生さんです。臨床微生物学がマスターしていても感染症学や治療学などの知識は現場仕込みの私だけにグループの皆さん困惑したかもしれません。すいませんでした。

グループは私含め5名で、静岡赤十字病院の1年目研修医の先生、1年目後期研修医の先生、聖隷三方原の1年目研修医の先生、山梨大学の5年生の先生でした。初めの自己紹介で臨床検査技師と聞かれて皆さんびっくりされたのではないでしょうかね?みなさん大変優秀な若手の方たちで、失礼のないように私も臨床畑で採れた知識をごちそうしたような状況でした。院内肺炎、CDAD、CVカテーテル感染、腎盂腎炎+クリプトコッカス髄膜炎。あれだけ大勢の中みなさんざっくばらんと話せたのは非常に良い機会だったのではないでしょうか?私は得るものばかりで、お土産のゴーフルは非常に安かったと思いました。その後の懇親会も企画されていましたが、時間に余裕もなく参加出来なかったことが本当に残念です。セミナーよりもっと砕けた話が出来たのではないでしょうか?

また、このブログでも時々書き込みして頂いている 総合内科医志望さま も来られていたようです。またご挨拶したいと思います。今後とも宜しくお願いします。

持ち帰り早速、ICT活動の再構築の材料にしたいと思います。お世話して頂きました先生方本当にご苦労様、ありがとうございました。私も神戸でしたいと感じました。

写真はセミナーでお世話になった長浜先生とグラム染色の有用性を指導されています、聖隷浜松医療センターの森岡先生http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2007dir/n2727dir/n2727_03.htm#mです。若手でこのようにグラム染色が必要と熱心にされている先生にお会いできて光栄です。

Photo

帰り際に時間が無かったのですが、旧?静岡市役所を携帯で写して見ました。きれいですね。

Photo_2

| | コメント (2)

2007年8月 3日 (金)

合成基質入り培地の弱み

先週の研修会で真菌の閲覧コーナーがありました。これはその時の写真ですが、真菌(カンジダ)の培養をするときに菌の代謝などを利用して色調変化を見て菌の同定が可能な培地が検査室では主流になってきています。おおよそ初代培養なら48時間、継代なら24時間でキレイな色調になります。この培地ではCandida albicans がエメラルド緑になるのが特徴で、このまま同定することも多々あろうかと思います。しかし・・・そこが大きな落とし穴です。エメラルド緑になるのはCandida albicans だけではありませんので気をつけて下さいね。

証拠写真ではないですが掲載しておきます。感受性するとFLCZ耐性だなんて結果になるかもしれませんのでご注意を。閲覧の培地はA病院のK先生の提案です。勉強になりますね。ありがとうございます。少しハレーションしていて見難いと思いますが、違いを見てください。ファイナルアンサー?

Photo

| | コメント (0)

2007年8月 2日 (木)

難易度Eのスメアです

78歳男性。肝硬変のフォローで入退院を繰り返しています。糖尿病も合併しています。本日高熱(40℃台)のため来院。入院しました。高熱もあり直ぐに血液培養実施して次の日に陽性になりました。その時のスメアです。血圧も低下していて敗血症と分かりましたが、この菌だったとは。このスメアで何菌か分かりますか?患者のサマリーを考えると絞られると思いますがどうでしょうか?抗菌薬何にしましょう?

今回私、師範手前は『ずばり!!』当ててしまいました。快感ですね。

ヒント:過去にも掲載していたかな~?レンサ球菌でも菌の形、大きさなど特徴を掴んで下さい。

Gbs600 ×1000

| | コメント (2)

2007年8月 1日 (水)

別に2色に分けなくても良いのかもしれませんね

今回は11歳の女児です。昨晩から下痢と発熱ありました。嘔吐は無いです。夏休みなので何処かに行って野外バーベキューでもあったのでしょうか?特に食べ物は覚えていないようです。排便をすると赤くなってきたのは昨晩かららしいです。早速浣腸して排便です。

検査室に届きました。『おおっ!!』と外観を見て感動です。直ぐさまスメアしましたが『別に単染色でええんちゃうん?』と勝手に思い、グラム染色のクリスタル紫のみしました。予想的中です、らせん桿菌(キャンピロバクター)がうようよしていました。菌の形状を見るには(淋菌の検査など)クリスタル紫のみで良いので応用してみました。通常赤になりますが、キャンピロバクターは染色性が薄くつい濃い染色性のものに目移りして見難いですが、このように青一色なら目に入り易いです。しかも、白血球などの細胞成分が非常に見やすいことが分かりました。糞便の塗抹検査は単染色でも良いのかな?と思いました。単染色なので染色僅か15秒の早業です。

その時のスメアに加え、『おおっ!!』と思える糞便の写真掲載します。マーブル様もしくは粘血便の典型です。O-157などは本当に鮮血になるので少し違いますね。ちなみに赤痢アメーバの場合はイチゴゼリー状という表現になります。じゃあこれはイチゴマーブルですね。

Photo ×1000(写真真ん中の小さいらせん桿菌)

Photo_2 糞便の外観

| | コメント (2)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »