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2007年8月30日 (木)

エンテロバクター(Enterobacter spp.)

下腹部の感染症や複雑性尿路感染症などの起炎菌でエンテロバクターがあります。主にはEnterobacter cloacae、Enterobacter aerogenesがあると思います。一時期は高カロリー輸液の汚染で問題になっていましたが・・・。この菌はペニシリンは勿論ですが、第1~2世代までは自然耐性を示すことが多く、たまに3世代セフェムも耐性化しています。βラクタマーゼ゙の産生が多いことが指摘されています。つまり、初期治療で使用頻度が高いと思われるCTRX、CTX、CAZも分解してしまうのが問題です。培養ではKlebsiellaと非常に類似した集落を形成してくるので判りつらいこともしばしばあります。

このスメアは典型例ですが掲載します。血液培養です。

エンテロバクターのスメア上の特徴。

①短桿菌

②染まりが良い(インフルエンザに比べ濃い&大腸菌の様な染まり)

③莢膜の存在が有意義に確認できない

などなど・・・。

この患者は前回の入院時にエンテロバクターの尿路感染があり、今回同一ヒストリーで入院してきました。UTIセプシスで初期治療はIPMで開始していましたが、De-escalationも・・・と思いたちました。がさすがに上記のような傾向がある菌なので、3世代セフェムにDe-escalatioとスメアをもって言い難い症例です。もう少し長い(大腸菌)または莢膜が多い(肺炎桿菌)場合は3世代も有効かと考えるんですがね。リスク高いでしょうか?

Photo ×1000

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

グラム染色の研究会,行こうかどうか迷っている間に,〆切が過ぎていました...トホホ.
さて,エンテロバクターですが,「CTRX/CTX/CAZを分解」ということは,ESBLを産生するということでしょうか,それともβラクタマーゼの過剰産生ということでしょうか?またご教示いただければ幸いです.

投稿: ID conference管理人 | 2007年8月31日 (金) 22時51分

ID conference管理人さま

研究会次回よろしくお願いします。先生のような知識もモチベーションも高い先生の参加を願っています。

さて、エンテロバクターのβラクタマーゼですが、殆どがClassCの過剰産生と思って頂いていも構わないと思います(施設によっては違いますが、MRSAの発生頻度が低い施設ならESBLの発生も少ないでしょうし)。ESBLも一部産生しますが、ClassC(ampC)の過剰産生も混合するときがたまにあります。なので感染対策は違えど抗菌力が期待できない環境にあろうかと思います。また、3世代セフェムの使用が増えるとこの手の菌は増えますよね。当院はモニタリングにも使っています。

投稿: 師範手前 | 2007年9月 3日 (月) 10時16分

セフェム系使用状況のモニタリングに使用するというのは参考になりました。確かに耐性エンテロバクターは3世代セフェム系の使用状況と一致しているような気がします。ところでグラム染色とは少しはずれますが教えて頂けませんか?最近第4世代セフェムも耐性、カルバペネムも中等度耐性株のエンテロバクターを頻繁に検出します。メタロテストは陽性にはなりませんが、メタロ産生のエンテロバクターも検出されているのでしょうか?ご教示頂けますでしょうか??

投稿: えくらです | 2007年9月 4日 (火) 22時51分

えくらさま。お答えします。エンテロバクターもそうですが腸内細菌の一部はβラクタマーゼを過剰に産生するものが多いですよね。またペリプラズム領域(外膜と内膜の間)にβラクタマーゼを貯留させます。そうすると,通常細胞壁にまで到達する抗菌薬は、貯留したβラクタマーゼに阻まれるため、感受性結果は見かけ上耐性傾向にシフトします。なのでカルバペネムのMICが上がるのはβラクタマーゼの分解っではないのが普通です。なんで2MPAも陰性になります。
でも今回はキノロンは感受性ですか?エフラックスポンプも全否定出来ません。腸内細菌のメタロは殆どVIMかIMPなんで2MPA試験で普通検出可能と思いますが。MICは通常1-2μg/mlくらいみたいです。そうそうセラチアはMIC上がります。

投稿: 師範手前 | 2007年9月 4日 (火) 23時30分

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