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2007年8月 7日 (火)

抗菌薬の適正使用(De-escalation) 

今日は化膿性脊椎炎の患者です。2年前に脊髄損傷のため脊柱の手術をしました。術後も順調でしたが、先日発熱と背部痛のため来院されました。まあ、人工物の脊椎炎かな?と思いましたが、すぐに手術まで踏み込まず1日温存です。血液培養だけは採取を押しました。次の日に陽性となり、その時のスメアです。

抗菌薬の投与状況見ましたが、でも何故か・・・。初期治療はDRPM・・・。何故か良く遭遇するのですが、他院で色々中途半端に使用してきているので、菌が特定できないこと、事前に抗菌薬が投与されていることが判ることなどからカルバペネムを初期で使用しないといけないケースもあるようです(ホント!!??)と思いますが、主治医が行うことですんで少し経過を見ていることが多いです。菌が判明すれば直ぐにDe-escalation実施です。

さてこれは、他院ではCEZ2g/分2/日を3日間したあとです。初期治療は何が妥当なのでしょうか?

Mssa

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コメント

師範手前 さま、いつもお世話になります。
・化膿性脊椎炎の患者、脊髄損傷のため脊柱の手術。
・発熱と背部痛のため来院、血液培養次の日に陽性。
・他院ではCEZ2g/分2/日を3日間したあと。
抗菌薬使用状況、菌の大きさ形、分裂のし方からMRSAか
MRCNSを疑います。また初期治療はVCMになると思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月 9日 (木) 14時19分

倉敷太郎さま。お久しぶりです。暑いですが元気ですか。
さて、脊椎の人工物挿入者ですが、背部痛なので腎盂腎炎などの他臓器に何か病変がないか鑑別することも必要かと思いますが、無い場合を考慮(脊椎炎のみ)すると人工物=ぶどう球菌の可能性が高いことが分かりますね。

じゃあ、ABPC/SBTやCEZを使用したいのですが、問題はメチシリン耐性かどうかです。mec遺伝子の検出やPBP-2'の検出検査が出来なければ、次の日にならないと分かりませんよね。黄色ぶどう球菌なら施設のMRSA分離(率)状況、CNSなら殆どMRCNSになろうかと思います。またCEZが前投与もされている事情からメチシリン耐性の可能性も更に高くなろうかと思います。
でも、このスメアでは限界があります。でも、もう一つ起炎菌かどうかの判定もあります。皮膚常在菌の鑑別ですが、この場合は症状もありますのでほぼ起炎菌と断定可能になってきます。起炎菌がぶどう球菌と判明したのでVCMが初期治療になろうかと思います。でも人工物埋め込みにしろ、膿瘍が引ける状態であれば局所からの起炎菌の検索が必要になりますので、血液培養陽性の報告時にそういったことを細菌検査から聞いてみるのも必要かと思います。訳があり穿刺、手術できない事情も多いかと思いますので。状況により柔軟で迅速な対応を細菌検査もしてやることが必要かもしれませんね。
倉敷太郎さまの施設では感染症のコントロールが非常に上手に行えているのが見えてきます。先生の努力の甲斐あってのことでしょうね。

投稿: 師範手前 | 2007年8月 9日 (木) 21時47分

師範手前さま大変参考になりました、ありがとうございます。
的確でわかりやすいご指導本当に頭の下がる思いです。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月10日 (金) 11時08分

師範手前さま・倉敷太郎さま
自分もこういうケースでは初期治療がバンコマイシンでなされるべきであると思います。バンコマイシンの濫用は当然さけるべきですが、カテーテル感染の初期治療や人工物関連軟部組織感染症などでは培養検体の結果を見る前にバンコマイシンが必要な状況の代表であると思います。
時に問題となるのが、バンコマイシンの使用制限・削減をしたいがために届け出制などがなされることで、理解が不十分な担当者(薬局の方であったり、医師であったりしますが)さんから「この患者さんMRSA検出されていませんよ・なぜバンコマイシンがいるのですか・濫用してはいけません」的なコメントがなされる場面です。この場合のバンコマイシンのempiric therapy使用は適切であり、逆に積極的に推奨されるべきだと思います。
薬剤師さん・研修医の先生をはじめ理解のある人が少しずつ増加してきていることは感じます。このあたりは内科医・ICDの腕のみせどころでしょうか?

投稿: 総合内科医志望 | 2007年8月11日 (土) 11時24分

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