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2007年8月14日 (火)

5歳と3歳の姉妹

先日こんな症例ありました。5歳と3歳の姉妹なんですが、2人とも帯下が増えたとのことで当院産婦人科に受診となりました。とりあえず膣分泌物のスメアを掲載しておきます。細菌室の内部でも2-3の起炎菌を想定しましたが、出てきたらそのうちの一つでした。何を考えましょう?

姉は近くの幼稚園に通い、妹は保育所に行っています。

スメアを見て主治医に何て相談しましょうか?でも良くある菌だったら・・・と色々考えます。その後どうしましょう?とりあえず培養ですかね・・・。

2600 5歳姉

2600_2 3歳妹

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま皆さま、毎日暑いですね。
さて、5歳と3歳の姉妹、5歳のおねいちゃんのスメアでグラム陰性双球菌が貪食されたあとのように見えます。やはりスメアで見えると、ドキッとしますよね。N.gonorrhoeaeではないでしょうか。
>スメアを見て主治医に何て相談しましょうか?
N.gonorrhoeae感染症の可能性を主治医と相談して、お母さん自身の感染症の可能性を聞いてもらうしかないでしょうね。
>でも良くある菌だったら・・・と色々考えます。
聞きにくいこととは思いますが。
>その後どうしましょう?とりあえず培養ですかね・・・。
培養(当院では選択培地使用:VCA3)・同定、また感受性は薬剤耐性菌のことを考え、実施したいですね。
お風呂で仲良くなっちゃたのでしょうか、早く良くなってもらいたいですね。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月15日 (水) 08時52分

倉敷太郎さま コメントありがとうございます。
そうなんです。淋菌でした。でも何故この年で・・・というのが皆さん感じることになろうかと思います。

普通ですが、この年でのグラム陰性球菌の貪食なのですが
①淋菌を疑う
グラム染色の方法が悪いと考えて
②ぶどう球菌を疑う
③溶連菌を疑う
になろうかと思います。
どうしても淋菌が疑う場合であれば患者背景を主治医に確認することが必要ですね。この患者の主治医も『淋菌と聞いて、大人ならそういえばと思いますが』とのコメントでした。

あと感染経路の調査ですが、この患者なので母親から譲りうけたとまずは考えると思います。それではない場合は父親など生計と共にしている家族の調査が必要でしょう。淋菌の場合は男性であれば症状が顕著に現れますが、女性の場合は無症候性の保菌者の場合もありますので、検査をすることが必要です。男性の場合は保菌の場合には症状が遅れて数ヵ月後に出てくる場合(治療が未完了か自然治癒したかと思われること)もありますので1年間くらいの期間でCSWとの接触がないか聞くことが必要かもしれません。ただし、家庭不和の原因になりかねますので慎重に当たらないといけない場合もあります。(←考えすぎですか?)CDCのガイドラインにもありましたが、小児の多くは親などの接触者によるものになりますので、周りの除菌対応が必要になってきます。

伝播経路はお風呂などと産婦人科学会文献には記載がありましたが、『全てが本当?』と思われます。この年代の場合には手洗いが不完全にされているケースも考えられるのではないでしょうか?

その後はやはり培養になろうかと思いますが、咽頭の保菌に関しては核酸同定も必要かと思います。DNAプローブでも検出可能だと思いますが、核酸同定精密、特にPCRはアンプリコアですると偽陽性もあるので注意して下さい。SDA法はその点を少し改良していますので診断に用いる有用性が高いと思います。

分離したら感受性ですが
βラクタマーゼ、CTRX、CFIX、CPDX、SPCMの感受性がしたいものですね。LVFXも必要かと思いますが今は殆ど耐性なのと、小児での適用がないので不要ですかね。新生児の場合はEMの注射という文献もありましたが、AZMはどうなんでしょうか?クラミジアも否定できればAZMでは治療できないのでしょうか?米国での感受性は少し悪くなってきているとの報告もありましたが、本邦も知り合いのK先生のデータですが、耐性度あがってきています。http://plaza.umin.ac.jp/~SBRK/siryoutou/9/%97%d2%8b%db.pdf

投稿: 師範手前 | 2007年8月15日 (水) 18時42分

師範手前さま、早速のご返事ありがとうございました。
やはり淋菌でしたか、実は当院で過去に3歳の女の子で経験がありました、そのときのことをすこし書かせてください。
-3週間前からおりものが多く、近医で検査しましたが異常なく、処方を受けたが変わらず。
外陰部に発赤があり、黄色の分泌物がでていました。このころから38℃台の熱が出るようになり当院受診時外陰部の分泌物の培養が提出されました。
スメアではグラム陰性の双球菌が多数見え、好中球多数、貪食像明瞭の為、直ぐ主治医と相談し、お母さんも陽性だったことがわかり、CFDNが10日間処方されました。しかし10日後の培養は陽性で、CAMに変更し一度は陰性化しました。それから1ヵ月後またおりものが多くなり受診、培養陽性になり母親から点滴して欲しいと、CTRXにかえてやっと陰性しました(当院受診から4ヶ月)。-
淋菌の場合は男性であれば症状が顕著ですが、女性の場合は男性とくらべてほとんど症状らしいものがなくおりものの量が多いな程度のことが多いですね。この子は5ヶ月もの間感染し続けたわけで、大変かわいそうに思いました。
泌尿器科では尿道分泌などスメアで簡単に診断がつくように、やはり女性のおりもの(分泌物)でもスメアを見ることで診断が付くことも多いと思います。産婦人科のスメアをいつも見ていて淋菌以外でグラム陰性双球菌はめったに見ることがないのと、貪食像がとても明瞭に見られますのであまりこまることはないように思います。だらだらと書いてしまいましたすみません。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年8月16日 (木) 11時36分

倉敷太郎さま 貴重な経験談ありがとうございます。

小児での検出事例に関して年齢によっては援助交際などのことも考えて検査も対応する必要があろうかと思います。日本も少し寂しい世の中になってきた背景もあります。以前当院でも小6のクラミジアがありました。恐らく援助交際が発端だと思われましたが中々踏み込めなかった覚えがあります。
今回はあまりにも若年層だったので援助交際?はないと判ったので生計を共にする家族の調査が必要だと思いました。
母親の咽頭から検出された背景にはオーラルセックスの拡がりが考慮されます。化学療法学会でも淋菌感染の伝播経路のうち半数近くがオーラルセックスによるものであったとの報告があります。この母親がCSWだったのかもしれませんが、そこは迷宮入りになった方が良いと思います。ただ、HIVなどは大丈夫でしょうかね?
追加ですが、いつの文献か忘れましたが米国での12歳以下の淋菌、クラミジアの検出率が出ていました。そこには援助交際の話も載ってました。日本の現状もそう変わらないことも考えないと行けない時代なのでしょうかね?違う話ですが、CSWの接触も値段の違いによって感染伝播する確率も変わるとの報告も見ましたが、2万円を境に低い場合は感染例が減るようです。なる~と思いましたが危ない世界ですね。余談ばかりですいません。

投稿: 師範手前 | 2007年8月16日 (木) 20時10分

子供が性病にかかった原因が、親から感染、または、援助交際っていうのは、とても狭い考え方だと思いましたので、書き込みさせていただきます。
学校の先生や、その他の周りの大人から性的虐待を受けているという見方はないのでしょうか?
親が感染源でない場合、他の身近な大人から移されているということもあるのではないですか?
性病→若いのに援助交際している悪い子 という発想は差別ではないでしょうか?
子供は誰かに気づいてもらって助けてもらうのを待っているのかも知れません。

投稿: 匿名希望 | 2009年9月27日 (日) 10時25分

匿名希望さま

確かに、軽率に扱い過ぎですね。失礼しました。
いくつかのガイドラインに親からの接触伝播調査をすると記載がありましたので引用させて貰いました。
私は援交が悪いとかどうとか言える立場のものではありませんので、追加コメントを差し控えますが、性的虐待も視野に入れた対応は必要であると思います。隅々まで気付きませんですいません。
>子供は誰かに気づいてもらって助けてもらうのを待っているのかも知れません。

確かにメンタルな部分ですので、匿名さんはこのようなケアをどのように対応されているのでしょうか?参考に教えて頂ければ際幸いです。

投稿: 師範手前 | 2009年9月29日 (火) 00時07分

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