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2007年7月12日 (木)

溶連菌の関節炎

本日は大腿骨頭の人工関節置換術を数年前にした患者です。広範性の皮膚紅斑性病変で熱感を持っています。切開排膿したいのですが、血小板数が1.2万と少ない患者です。一応穿刺してもらいましたところ①のスメアが見えました。A群のイムノクロマトは陰性でした。とりあえずVCM考えましたが、主治医から抗菌薬はどうしましょう?とコンサルトありまして、スメアからABPC+CLDMで開始しました。更に腎機能も悪くCCRも10以下でした。ABPCとCLDMの投与方法(量や回数調節)について説明が要ると思い説明に行きました。意外にCLDMが腎機能やHDによる影響を受けないのは知られていないものだと思いました。出てきたのはG群溶連菌でした。以後4日間抗菌薬を継続しましたが、再度培養が出てきました。菌も減少していて良好と思われるスメア②でしたが、翌日菌培養で面白い現象が見られましたので一緒に掲載します。どういった内容が体内で起こっているのか推測できますよね。やはり手術による排膿は必須ですよね・・・。

G600 ①初日の穿刺液 ×1000

600_14 ②その後の穿刺液 ×1000

Photo_81 更にその後の培養検査状況

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

こういった現象は関節液以外には尿でよく確認されます。つまり、①のスメアは抗菌薬前であれば②は投与後、②の塗抹では①より菌量が減少していますので、抗菌力があったことが理解できます。また、②の標本はやや白血球の核や細胞質がぼけていますので①に比べアクティブな炎症反応が見れないと判断できます。つまり、培養で菌が塗り始めでないのに、塗り終わりにあるということは、塗り終わりの方が菌の密度も少なく、抗菌薬の密度も少なくなっているということです。抗菌薬の密度は少ないのは抗菌薬の量が少ないということで、膿成分に抗菌薬が十分に移行していない状況がvitroで伺えるということになります。なので、手術適用がないと治りが本当に遅いことが手にとって分かります。打開するには投与量を増やすことも必要かと思いますが、培養結果にはこのように菌の発育阻害が見られると確認できるコメントも必要でしょう。菌が一向に陰性にならないというより、移行が悪いせいで陰性にならないというコメントも場合によっては必要でしょうね。

投稿: 師範手前 | 2007年7月18日 (水) 00時20分

本日、同様の症例に遭遇しました。他病院にて人工関節の手術後に関節炎を起こし、関節液と血液培養からS.dysagalactiaeが検出されました。手術を受けた病院にて排膿されるとのことでした。
今のところ2度目の検体提出はないのですが(他院で治療されるため)…。
そういえば、このブログで過去に同じような症例がでてたかも、と、探してみました。
勉強になります、ありがとうございます。

投稿: 半人前 | 2007年9月28日 (金) 00時29分

半人前さま
同様のケースですが遭遇した時に、このように参考になるのは非常にこちらとしても嬉しい次第です。
少しブログを見やすくしようと思い、カテゴリー別詳細に分けようと思っています。もう少しお待ちください。

当院ですが溶連菌の感染症も多く(年に5件くらい?)溶連菌感染の場合はABPC12g/分4/日+CLDM1200mg/分2/日(酷く重症例は1800mg/分3/日)の処方を標準にしています。ABPC量はPCG量から換算しまして使用しています。

意外にもサンフォードガイドにも人工関節の関節炎例では溶連菌可能性もあると記載されています。

人工関節の緩みなど調べて、どこから侵入したものか後ろ向きになりますが聞くことにもしています。緩みが少なければ恐らく人口関節の院内感染は否定できるようです。

投稿: 師範手前 | 2007年9月28日 (金) 09時46分

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