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2007年7月17日 (火)

定量培養の必要性

3連休は台風に、地震に災害が多く大変だったような気がします。当院も防災指令が発令した状況です。神戸という土地柄地震対策は整っていますが、もう過去のことと思っている人も中には居て、再度確認が必要だと感じました。

ところで、ある施設の方から質問を頂きましたので掲載することにします。

とりあえず、皆さんの活発な意見をお聞きしたいので書き込んで下さい。

内容

Q1:『当院の細菌検査室では定量培養を主体にしていて、尿のほか、咽頭、喀痰まで及んでいます。咽頭や喀痰の定量培養の意義はるのでしょうか?』

Q2:『カテーテル先端培養は定量もしていないで、液体培地に入れ発育の有無を確認しているだけですが、定量しなくて良いのでしょうか?』

無駄な(労力)検査を省略して、良い検査に時間をあてがいたいと思っています。意見を頂けないでしょうか?

難しい問題ですが、昔から習慣にしている検査については今の現状も含めてどこまでするのか変更していくのは重要ではないでしょうか?特に米国はDPCでもあり、検査に関わる従事者も専門の方が居る状況で、日本みたいに検査室内で起炎菌かどうか判断して同定感受性を行っていないですし、昔から比べて少し技量や教育も変わってきているので、古典的な方法を脱却しても、場合によってはベターかもしれません。皆さんの施設ではどういった検査方法ですか?

ちなみにうちの場合(参考になるかどうかは不明です。)

喀痰培養;セミアルカリプロテアーゼで溶解した後に、半定量しています。起炎菌は呼吸器感染の起炎菌の検出頻度の高いもの、呼吸器感染の起炎菌としての頻度が少ない菌でスメアで貪食が認められた単一菌などを考慮しています。

咽頭培養;そのまま培養しています。起炎菌は小児は溶連菌と黄色ぶ菌以外にも呼吸器感染の起炎菌(肺炎球菌やヘモフィスル中心に)、成人は溶連菌と黄色ぶ菌です。小児は喀痰が出ないケースも考慮して釣菌しています。

尿;定量していますが、腎盂尿などの導尿はしていません。

カテ先端;Makiの方法を参考にしていますが、追加で1週間液体培養に今尺しています。3日までは1日おきに混和してやることがコツです。

話はかなり飛びますが、最近気に入ったCMあります。

ソフトバンク携帯の白戸家族(ホワイト家族)のお父さんが好きです。

お父さん役の犬が「全てのものに理由はある」と言うと、上戸彩さんが「理由?理由って何よ、お父さん」と聞き、お父さん犬は「お前にはまだ早い!」と一刀両断。

現代社会のキャッチコピーたるもののようです。気に入っているのはお父さん役の犬はただ、吠えているだけにしか見えないこと。なので、気に入らないことを聞かれた場合は、全てのものには理由がある。お前にはまだ早いと言い切る秘策になるのではと期待しています。お父さんの写真掲載しておきます。

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コメント

質問させていただいたものです。
当院では以前から定量培養が行われてきており咽頭ぬぐい液も希釈して均一化したのちに行っています。細菌検査室の業務軽減のため、意義の少ないとおもわれる培養手技を減らそうという意見が出ており、まずこの定量培養を定性もしくは半定量にするのはどうかという意見になっています。有用性を検討した文献などは乏しいかと思いますが、他病院ではどのようにされておられるかご意見いただければ非常に参考になります。よろしくお願いいたします。

投稿: 質問者 | 2007年7月19日 (木) 21時36分

当院では、喀痰培養と尿培養のみ定量培養しています。

咽頭はそのまま培養して、1+~3+で報告しています。

カテ先は滅菌生食を0.5mlほど加え、ミキサーにて攪拌した後に遠心して沈渣をつくり、その沈渣を塗抹・培養しています。(この方法はオリジナルの方法ですので、あまり参考にならないかもしれませんが…。)菌量が少ないときは、Dr.に連絡して、起炎菌かどうか相談するようにしています。

その他の起炎菌の決定の仕方などは、師範手前様とほぼ同じです。

定量が必要か否かは臨床がそのデータをどう活用するかにかかっているのではないでしょうか?
臨床のデータの活用方法に意義を感じるのであれば、必要でしょうし、意義が無いと感じるのであれば、不必要となると思います。後は、細菌検査室の業務軽減と天秤にかけて、優先すべき方を選べば良いのではないでしょうか。

お困りのようでしたので、メールさせてもらいました。
半人前の若僧の意見ですが、参考になれば幸いです。


気になったことがあるので質問させてください。
師範手前様、カテ先の培養はMakiの方法でされているとの事ですが、塗抹はどのようにして作製されているのですか?

投稿: saikin`s1号 | 2007年7月20日 (金) 14時28分

saikin's1号さま

コメントありがとうございます。
当院ではカテ先の塗抹は積極的に実施していません。付着物のある場合は必要かと思いすることもあるのですが。至急と言われる場合は生食フラッシュの液を遠心して沈さを染めていますが殆どブドウ球菌ですね。

本日は時間がないのでまた詳しくはコメントします。すいません。

投稿: 師範手前 | 2007年7月20日 (金) 18時41分

喀痰の培養について生食洗浄法(?)による塗抹作製・培養の必要性を感じています。実際に膿性部分だけを生食で洗浄し塗抹を作成すると口腔内常在細菌は激減し標本も美しく、誤嚥像など非常にわかりやすいです。生食洗浄した場合は膿性部分だけを融解剤でとかして培養するため菌量は非常に少なく、定量に重要性を感じていません。ですから私もsaikin's1号さんの「定量が必要か否かはデータをどう活用していくかにかかっている」という意見と同じように思っています。尿の検体も外来の場合はすでに何回もトイレに行っていて菌量が減っていることが考えられるので、たとえ菌量がすくなくても炎症症状があれば感受性検査を行うようにしていますし・・。話しはそれますが、ホワイト家族のお父さんは欣也様ですかね?ファンなので声だけ聞いて欣也様だと思ったのですが・・。でもイヌ役なんかやりませんよね・・

投稿: 弟子14号 | 2007年7月22日 (日) 16時19分

みなさまコメントありがとうございます。
「データを臨床側がどう生かすかによる」は全くそのとおりであると思います(自分は臨床側=内科医師です)。尿培養については10の5乗コロニーをカットオフとしたり(状況によりますが)定量による判断の基準がある程度ありますが、喀痰や咽頭ではそれがきちんと示された文献が見当たりません。痰のグラム染色で菌みえない・培養では肺炎球菌検出(10の3乗など少ない量)であっても臨床像から矛盾なければ肺炎球菌性肺炎と考えてよいと思います。逆に、抗菌薬治療中の方での院内肺炎・グラム染色で菌いない・培養でMRSAが10の7乗検出・ではこの場合にはMRSAの肺炎なのか?10の3乗であったらどうなのか?グラム染色では少量のGNRが見えていたとしたら?・・・このような場合の判断基準はどうなのか?グラム染色のほうが特異性が高いのか(もちろん検体の質によるでしょうが)・グラム染色陰性でも定量培養で多く検出されれれば真の起炎菌なのか?定量培養で少ない時には?咽頭培養はさらに混沌としています。結局は総合判断で・・・のような話になってしまうとは思うのですが、つまりはこのあたりの有用性・意義・不要?につき検討したデータなどが見あたらないことで議論が個人の経験・好みになってしまうところが問題で結論が出ません。定量培養していなくてもきちんと患者さんの治療ができている病院があるであろうことを考えれば、不要かなとも思えるのですが・・・。
ひきつづきぜひみなさまコメントよろしくお願いいたします。

投稿: 質問者 | 2007年7月23日 (月) 06時52分

皆さんコメント白熱していますが、ホワイト家族のお父さんの真実のためでしょうか?理由、つまり根拠は大事で、根拠作りの検査データの解釈も大事です。

みなさんのコメントを少し整理したいと思います。
色々な検査手順に関してはそれぞれ意味があることと思います。ただ、授業や研修会などでの講義内容に関してもその事実を突き止める根拠、バックデータは必ずしっておくべきです。全てのものには理由があるとお父さんもおっしゃっています。

尿の定量培養も本来の定義は早朝中間尿であり、外来での結果が当てはまるわけでもなく、特に小児科で自分の意思と関係なく排泄している患者に10の5乗という値はどう見るべきでしょうか?臨床検査のみでは判断できない状況で、臨床症状とあわせないと解釈できない状況もあります。おむつしている?など情報は検査室に伝わらないことも多く困ります。ただ、検査室がどのように検査採取をしてこちらまで搬送されているのか、検査室ではどのような検査方法がされているのか、お互い確認することが必要です。

喀痰の培養も洗浄培養が必要なのは承知の上ですが、検査センターでは全て出来る検査方法でもなく、口腔内の常在菌を検出する可能性は高い現状であります。

つまり、正確なデータは検査室と臨床医、時には看護師と密な情報共有が必要になってきます。それは規模が大きくなればなるほど統制が取り難くなるので徹底が必要になってきます。みなさんが何故この結果になるんだろうと、検査方法の意味、結果の解釈を知っておく必要もあり、検査の方法をひっぱってきた根拠も時には考える必要があります。

引き続きみなさんのコメント待っています。この際皆さん分かること、分からないことをぶちまけましょう。

投稿: 師範手前 | 2007年7月23日 (月) 21時14分

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