初めての耳鼻科材料です
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コメント
染色像はブドウ球菌に見えますが、実際には小児中耳炎の起炎菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブランハメラがほとんどです。中耳炎でブドウ球菌が起炎菌となっている場合は長引く中耳炎を起こしているときで、かつ穿孔性の中耳炎となってしまっていて、起炎菌としてはMRSAのことが多いというのが私の施設での現状です。ですから、この染色像は①慢性化した穿孔性中耳炎の耳漏②外耳炎の耳漏③採取時の外耳道からのコンタミの3パタンを推測します。鼓膜の状態や中耳炎がどの程度なのかも判断材料としては大切だと思います。場合によっては耳漏より上咽頭の材料の方が中耳にいる菌をよりよく反映しているように思います。
投稿: 耳鼻科勤務 | 2007年7月20日 (金) 22時21分
耳鼻科勤務さま
コメントありがとうございます。
>小児中耳炎の起炎菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブランハメラがほとんどです。
これは通常の起炎菌は気道感染の起炎菌がそのまま耳に疾患をしていることを示しますね。追加ですが、鼻などに基礎疾患の多い患者が多いのでしょうか?実際第1線で診られていてどう思われますか?
>中耳炎でブドウ球菌が起炎菌となっている場合は長引く中耳炎を起こしているときで、かつ穿孔性の中耳炎となってしまっていて、起炎菌としてはMRSAのことが多いというのが私の施設での現状です。
穿孔性の場合は治癒が長引くので、MSSAがMRSAに変化していると考えるか、MRSAが菌交代で付着するのかどちらのリスクを考えるのが良いのでしょうかね。
なので、急性期の場合は常在菌(っているのでしょうか?)のコンタミと考え、慢性疾患で穿孔という場合は起炎菌と判断することが良いと思われます。でも、検査では不明であることや、病原菌の病原性の高さ、耐性菌の可能性もあることなどから同定感受性は省略できないと思われます。
しかり上記のスメアに関しては古い白血球が多いこと、貪食がないことなど慢性期の感染症と一部食い違いもあることから起炎菌と判断しない方が良いと思われますが如何でしょうか?
慢性性の場合は貪食もひとつぶどう球菌の起炎性の指標に用いると良いと思われます。
また、CA-MRSAも多く、EM誘導耐性(CLDM)も多いことからMRSAの検査はかかすことが出来ないような気もしますが、誰かコメント下さい。
投稿: 師範手前 | 2007年7月23日 (月) 21時01分