今週伺いますので宜しくお願いします
今週は全国徳州会病院の検査部会勉強会に呼ばれてお話してきます。徳州会の先生方宜しくお願いします。今回のお題目は『グラム染色のスキルアップ』と良いネーミングをもらっていますので少し気が楽です。いつも『限界は・・・』、『これからの・・・』など少し硬いイメージ抱かせていますので申し訳けありません。
当日は皆さんで自施設のスライドを持ち寄り、ディスカッションも出来る場を用意しようかと思います。ざっくばらんにお話できることが、非常に良いことだと思いますので、『こんな質問して大丈夫かな?』なんて思わずに聞いて頂ければ結構です。その時の進行具合で針路変更も可能にします。
レクチャーは少し当てて答えてもらうとうスタンスで進行します。緊張しないで下さいね。臨床医と会話する方がもっと緊張しますよね?(私個人は女医が少し苦手です(笑))
写真は先日、感染性心内膜炎の患者から検出されたEnterococcus faecalisの血液培地上の写真です。β溶血していてまるで、Streptococcus agalactiae(Group B streptococcus)の様です。感染性心内膜炎の患者からはこのようなβ-haemolysinを持つものが多く検出されるようです。ちなみにβ-ラクタマーゼ陰性で、GM>512μg/mlでした。
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コメント
今回もためになる症例、ありがとうございます。
ところで、β溶血するレンサ球菌がらみなのですが、先日、耳漏の検体から、LancefieldC群のStreptococcusが検出されました。
まるでS.agalactiaeのような溶血だったので、念のため同定キットにかけてみるとS.agalactiaeと同定されました。
再度ラテックスをあててみたのですが、やはりC群のみに凝集が認められ、????と首をかしげてしまいました。
このようなケース、よくあることなのでしょうか?
溶血関連で、スメアとは無関係の質問をしてしまい、申し訳ありません。
自施設で、判定に困った一例だったので、相談させていただきました。
投稿: 半人前 | 2007年6月27日 (水) 00時09分
半人前さま、コメントありがとうございます。
C群に凝集の来たS. agalactiaeですか。通常B群に思いますがおそらく細胞壁の糖鎖が変異した菌なのでしょう。最近はLancefield分類は参考にしかならず陽性球菌の中でも抗原が変異している株も多いようです。なので同定が誤ってない場合はC群抗原を持ったS. agalactiaeで問題ないかと思います。参考にS. agalactiaeはGMが耐性になるので通常のC群との鑑別もできます。
当院の事例も含めて少しブログで取上げたいと思います。
非常に有用なコメントありがとうございます。
投稿: 師範手前 | 2007年6月27日 (水) 12時32分
ご指導ありがとうございました。
当院では、A,C,G群のStreptococcus sp.においてアミノグリコシド系の感受性はとくに測定していないのですが、Streptococcus sp.はアミノグリコシドに耐性だと思い込んでいました。
GMの感受性はC群だと通常感受性になるのでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ありません。
投稿: 半人前 | 2007年6月28日 (木) 20時21分
A,C,G群はGMは感受性に出ます。B群溶連菌はGMでセレクションしますので耐性判定してます。ビリダンスは耐性ですが。感受性は普通しませんよね。
投稿: 師範手前 | 2007年6月28日 (木) 21時11分
土曜日の講演、ありがとうございました。為になる話ばかりでとても勉強になりました。講演でも取り上げていた事例の復習と今後の精進にこのブログを利用していきたいと思います。
投稿: かけだし | 2007年7月 2日 (月) 00時47分
かけだし様。コメントありがとうございます。為になる話というか、グラム染色所見をきっかけに臨床がどのように動いているのかイメージ作れないと漠然とスメアを見続けることになり、張り合い無くしますよね。会でも言いましたが、私本人はグラム染色という武器を手にして臨床に切り込んで行く手段を体得しようと日々道場で励むようにしていますので今後とも宜しくお願いします。いつしか、『師範』と格好良くなりたいと思います。
投稿: 師範手前 | 2007年7月 2日 (月) 20時19分