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2007年5月16日 (水)

糸状菌の同定です

昨日勉強会で見せたスライドになりますが。真菌特に糸状菌の同定は深在性真菌症では欠かせないものです。Aspergillus は数十種もありますが、ヒトに病原性を示すものは37℃の環境で生育するものが多いです。最も多いのはAspergillus fumigatus です。緑青色に集落を形成することで確認できますが、類似菌はたくさんあります。確認にはスライドカルチャーと言い菌の分生糸を確認する作業が必要です。下記にも示しますが頂嚢に乗った胞子の形状やつき方を確認して同定します。A. fumigatus の次に多いのがA. niger になりますかね。集落が黒色になるのでこれも特徴的ですが、A. fumigatus と異なる分生糸を形成します。先日県内でサーベイしましたが約7割の施設で実施していました。今は特別な機材も必要なくセロハンテープをくっつけるだけでこのように見えます。A. fumigatus A. niger の分類は不要?とおもいきや、抗体検査にはA. fumigatus から抽出した抗原液が使用されていることが多いため、A. niger の場合では一部交差反応示しますが、正確に出ないことを覚えておく必要があります。そういったことから菌の同定は必要だなと感じていますもう一つMucor も掲載しておきますね。ご存知の通りVRCZ,ITCZなどの新規抗真菌薬に耐性なので菌抗体も懸念されています。βグルカンも陰性なので菌の検出が重要ですね。比べると判りますが、少し菌の隔壁(茎の部分)の太さが違うのがわかりますかね?キレイな標本ですね。臨床医は細かく気にされるのでしょうかね?たまに思います。特にABPAの診断には重要ですよね~。

FumigatusAspergillus fumigatus

Nigerjpg Aspergillus niger

Mucor Mucor sp.

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コメント

勉強会に参加してスライドを拝見しました。サーベイでアスペルギルスをペニシリウムに間違えた施設があった・・と言われていました。このサーベイの菌株とは別件ですが、発育のかなり早い段階でセロテープ法を行った場合、アスペルギルスの種類によっては分生子の発育が不良で、どちらか迷う事がありました。ただその場合でも足細胞は確認出来たので足細胞を確認する事は有効だな・・と思ったのですが間違いではないですか?

投稿: 弟子14号 | 2007年5月17日 (木) 23時25分

弟子14号さまコメントありがとうございます。足細胞?の形状のみで菌同定するのは少しリスクが高いと感じています。迅速に結果が必要な場合はとりあえず接合菌かどうかの報告のみで良いかな?って思っています。投与する薬剤の問題もあるので。その時は集落で推測可能な事も多いので、そういった総合的な情報をしっかりと報告するほうが大事じゃないですか?スライドカルチャーの基本はセロテープ法でないから、菌が同定出来ない場合は、ちゃんとした方法でやり直すとは思いますが。今回は糸状菌なんでコメント無いかな?って思っていたので嬉しい次第です。

投稿: 師範手前 | 2007年5月18日 (金) 12時38分

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