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2007年5月21日 (月)

先入観あると難しいもんです

症例:75歳男性。主訴:発熱、咳嗽。既往歴:白内障、高血圧。喫煙歴:30本/日×50年。救急外来に来られました。10日間前に発熱あって、近医受診して肺炎と診断される。CAM が5日間処方され後改善する。今回は2日前から再度発熱をきたし救急に来院となりました。レントゲンを撮ってみると左下肺に陰がありました。WBC 33,000、CRP 24、CK 512でした。休日の夜間救急で忙しいため、最低限と思い医師が独自でレジオネラと肺炎球菌の尿中抗原を実施しましたところ肺炎球菌が陽性になりまた。S/O肺炎球菌性肺炎で入院し、ABPC/SBT投与開始。翌朝に抗菌薬投与前に採取していた喀痰を朝から染めましたらこんなのでした。昼には血液培養陽性となりこんなスメアになりました。喀痰スメアはどこまで判断すれば良いのでしょうか?血液培養の結果はどう考えましょう?

喀痰スメアですが、1000倍でやっとのこさ(全視野で2-3しかありませんでした。)見つけたスメアです。100倍はその弱拡大です。

Photo_40 喀痰×100

Photo_41 喀痰×1000

Photo_44

血液培養スメア                                      

                                            

   考えたい事項として・・・

①100倍であれば誤嚥を考えるのでしょうが?

②1000倍であれば肺炎球菌を考えるのか?

どうでしょうか?このスメアは。診断治療に当たり評価できる内容でしょうか?検査技師としてどうコメントしますか?臨床の先生は結果(多分グラム陽性のレンサ球菌ありなどのコメントになると思いますが・・・)だけ見てどう判断しますか?肺炎球菌に固執する必要あるのでしょうかね??

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

コメントがないのは難しいのでしょうか?少し解説必要でしょうか

投稿: 師範手前 | 2007年5月23日 (水) 21時28分

CAMが中途半端に効いて再発した肺炎球菌性肺炎と、それに伴う菌血症と推定。
L/D上で炎症マーカーが比較的高く、横紋筋融解を伴っているのもそれに一致する所見で良いかと思います。
日本の肺炎球菌は、マクロライド耐性が多いのが、合衆国との違いです。
喀痰に扁平上皮が多いのは、採取時の検体汚染でしょう。もし、誤嚥性肺炎ならば複数種の菌の貪食像があるはずです。
菌血症を伴っているので、IE注意。

投稿: ドロドロ専門医 | 2007年5月24日 (木) 12時35分

横紋筋融解は少し考えませんでした。なるほど。菌血症を伴う肺炎球菌性肺炎は分かりますが、このスメアでは分かるはずないでしょうね。僅かな所見のみ追い詰めるようですが。あくまでスクリーニングですので。たまたま肺炎球菌の尿中抗原陽性だったので探しますが。扁平上皮が多いのは材料が悪いからかどうかしっかりと臨床で把握する必要があります。今回は喀痰なので材料不良です。流石にこれが肺炎球菌性肺炎というのは気がとがめますね。

投稿: 師範手前 | 2007年5月24日 (木) 22時57分

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