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2007年4月 3日 (火)

夜間にこんな症例が・・・

先日の当直中の出来事です・・・

症例62歳、男性。主訴:咳嗽、発熱、呼吸困難。基礎疾患:多発性骨髄腫。CDTR-PR内服中。痰はMiller & Jones の分類 P3(膿性部分2/3以上)。

そのときのスメアです。簡単ですね。

菌以外にも背景を観察できたらして下さい。

Photo_19 ×100

600_1 ×1000

追加です。研修医が担当していました。直ぐに肺炎球菌であることを伝えましたが、尿中抗原の検査依頼がありました・・・。塗抹で確実例なのですが、この時点での尿中抗原検査の有用性はるのでしょうか?実際、目的や意向など聞いて実施の有無を判定していますが・・・・。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

初めてコメントします。
呼吸器内科医ですが、検査室で自分でグラム染色をするようになったのはここ1年未満です(おはずかしい・・・)。
いつも大変楽しく勉強させていただいております。

×100では、白血球が沢山見え、良質な検体であることが伺えます。
×1000では、グラム陽性の球菌が2つくっついていて、周囲が透明に抜けて見える部分があり、肺炎球菌に典型的な所見なのでしょうか。左上などに白血球と重なっているものも見えますが、これは貧食ですか?内服の抗菌薬が投与されていた影響がこの標本に現れているのか、興味がありますが、僕にはまだ分かりません。

検査室でグラム陽性双球菌を見つけて、「これ肺炎球菌ですよね?!」、と技師さんに訊いてみても、「いやーそれは口腔内の常在菌ですねー」と言われてしまうことが多く、うーんとうなります。一朝一夕で分かるようになれるとは思いませんが、何かコツがございましたら教えていただけると嬉しいです。

稚拙なコメントですいません。

あ、肺炎球菌尿中抗原については、結果が治療方針に影響することがあまり(ほとんど?)なく、気持ちの問題のような気がします。師範手前様(?何と呼ばせていただいたら良いでしょうか・・・?)のような技師さんがいる病院であれば必要のない検査なのでしょうか?

投稿: FMT | 2007年4月 6日 (金) 00時40分

FMTさま
自分でグラム染色されているのですか。1年未満であろうと非常に良いことであると思います。当院においては・・・。技師任せは良いように受け取ると『信頼していますので・・』という解釈になってしまいますが、自分の眼で確認されることが非常に良いことであるのは変わりありません。このまま継続していってください。

>左上などに白血球と重なっているものも見えますが、これは貧食ですか?
貪食です。左下のものがわかり易いと思いますが、白血球の核より下方(下の位相)に見えるかと思います。核は標本の表面方向に盛り上がって立体的に見えていますのでその気になって見てください。菌はそれより奥に見えると思います。右上の方は核と同じ位相に見えると思います。

>内服の抗菌薬が投与されていた影響
CDTR内服に関わらず肺炎になっているので耐性菌の可能性がありますね。特にpbp2x変異株の可能性が高いので、病気の進行度によるとは思いますがCTRXやCTXも注意しないといけませんね。菌によってはやや延伸しているものもありますので抗菌作用はあるのでしょうね。

>何かコツがございましたら教えていただけると嬉しいです。
今回に関しては非常に良質の痰なのでこのように常在菌が混合していないことがポイントになります。いかにして良質の痰を採取するかにあります。またこのスライドはGeckler分類の5になります(顕微鏡評価)ので問題ないのですが、1から3までであると何とも言えません。痰の採り方が大事ですが、常在菌を減らすには喀痰の洗浄をするのが良いです。常在菌が落ちますので。

>尿中抗原は治療方針に影響することがないのですか。まあ血液ガスやレントゲン所見も総合的に見るとそうなるのでしょうね?当院でも一応指導や教育していますが、今回の事例でも実施していれば陰性になったかもしれません。初期は偽陰性になりますのでね。たまに『血液培養で肺炎球菌が出たのに尿中抗原は陰性になるのはおかしいのじゃないですか?』と言われる先生も居て説明しに行きます。ここでもやはりコミュニケーションが大事であることを痛感します。食い違いは患者のためになりませんのでね。

非常に良いコメントありがとうございます。今後とも御指導お願いします。 師範手前

投稿: 師範手前 | 2007年4月 6日 (金) 09時15分

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