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コメント
GPC chainを多数認めて、化膿性関節炎です。
治療のfirst choiceは手術ですね。
術後感染か、院内感染の可能性はあるかどうか病歴が知りたいです。このグラム染色でブドウ球菌ということはないと思いますが、自信がないのでとりあえず培養が帰ってくるまでは、バンコマイシンでいきたいです。
投稿: vam | 2007年4月10日 (火) 17時24分
vamさま
コメントありがとうございます。
GPC(レンサ状)の化膿性関節炎でなので直ぐに手術適用であるのは普通でしょうか?切開排膿などの外科的処置が必要な場合が多いとは思いますが、単なる関節炎で重症例でなければどうなのでしょう?とりあえず抗菌薬投与して様子を見るではだめなのでしょうか?ご教授下さい。
院内感染でこのような履歴の方は少ないように思います。院外での感染が殆どであるので簡単に受け止めて下さい。書き込みの通りぶどう状球菌は見えないのでないですが、同定の前に出来ることがあります。血液培養もそうですが、咽頭炎の迅速検査キットを使うと・・・。なので、ほぼ答えも出ているとは思いますが溶連菌(特にA群)の確定をしたら良いと思います。陽性ならABPC(±CLDM)になりますよね。
投稿: 師範手前 | 2007年4月11日 (水) 11時52分
あ、手術と書いたのは切開排膿の事です。
化膿性関節炎では綺麗に洗って治療しないとなかなか治らないし、後手に回ると関節の破壊につながるので、診断がつき次第、手術室へ直行だと思っています。この点でうちの整形外科医も同じ意見です。
迅速検査キットの件ですが、これは膿の検体を使って検査するという意味でしょうか?
投稿: vam | 2007年4月12日 (木) 15時56分
vamさま
迅速キットですが、実はイムノクロマト(IC)は咽頭以外でも抗原があれば反応します。関節液や膿汁、血液に至るまで陽性になりますので一度試してください。ただ、血液成分が多量の場合は陽性ラインの判定が難しいので注意して下さい。蛋白成分が多い時は少し生食などで希釈するのがこつです。ただ、保険適用外なのでその辺を理解して使用して下さい。ラテックスでは出るかと思いますが感度が悪いのでどうか分かりません。夜間で検査室が稼動していない場合にグラム染色してレンサ球菌が見えたらやる価値あるかもしれませんね。
レンサはレンサでも今回のは長いレンサがありますのでStreptococcusを強く疑います。腸球菌は4-8連鎖くらい。肺炎球菌は2連鎖なので区別は可能です。またやや小型の球菌なのでA群の可能性が高いです。最近はG群やC群などNonA群の劇症型もありますので注意が必要ですね。
投稿: 師範手前 | 2007年4月12日 (木) 19時35分
答えは
Streptococcus pyogenesです。
小型の連鎖が長い球菌で膿瘍形成するのではこれは押さえておかないといけません。前述したように迅速のICを使用すれば次の日を待たずに結果判明します。あくまで参考程度ですが、非常に有用な結果になります。重症ならCLDMを追加する根拠にも繋がります。
投稿: 師範手前 答え | 2007年4月17日 (火) 20時44分