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2007年3月22日 (木)

いきなり難しいですかね・・・

症例(初段くらい?)

40歳男性。主訴:発熱および咳嗽、食欲不振。

37℃代の微熱が続いたため内科受診されました。聞いていくと・・・咳嗽と食欲不振もあり。胸部レントゲンを撮りました。右肺野に空洞形成もあり抗酸菌検査を実施したところ塗抹2+、結核PCR陽性になりました。典型的な結核でそのまま入院となりRFP+INH+SM+EB+PZAによる加療開始しました。やや遅くではありますが呼吸状態は徐々に改善していきました。退院間近(治療開始より40日)になり突然38℃代の発熱が持続するようになり血液培養を実施したところ2.5日目に好気ボトルがPhoto 陽性となりました。そのときのグラム染色がこれです。

今何が考えられ今後どのよう感染症の管理を進めていきましようか?

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コメント

グラム染色はカンジダに見えるのですが...
結核の入院治療もそろそろ終盤,というときに,カンジダによる敗血症,というのはあまり聞かない話ですが.
何かグラム染色にヒントがあるのでしょうか?

投稿: ID conference管理人 | 2007年3月24日 (土) 18時48分

いつも勉強させていただいております。
酵母用真菌に見えますが、よくみるカンジダとちょっと違うような気もします。(菌糸?のようなもので連なっているように見えるのはC.albicansなどでみられる所見でしたか?実はCandida sp.ではないのでしょうか?)
結核の治療終盤では通常CVなど使用していないと思われ真菌血症のリスクは無いように思いますが・・・??です。胸膜炎を合併してステロイドを併用された、というような情報はありますでしょうか?
初段には到底遠いようです・・・みなさまご教示よろしくお願いいたします。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年3月25日 (日) 12時22分

ID conference管理人、総合内科医志望さま
コメントありがとうございます。

グラム陽性でぶどう球菌などより大型なので酵母様真菌に見えると思います。通常の結核治療ではIVHなど挿入しないのでカンジダ感染症は無いと判断されるのは当たり前になります。血培で出た場合は出てくる因子について言及するのが必要であると思います。また培養時間がカンジダより長い気もしますので。

総合内科医さまのコメントにありますが、菌糸のようなものが見られます。これが本菌がグラム染色で確認されたときの特徴です。菌はほぼ均一ですので S/O クリプトコッカス になります。糸のように見られるのは莢膜などの粘性の高いものですので肺炎球菌の場合もそうですが菌体周囲に赤くなっているものも莢膜を示唆します。

直ぐに墨汁染色をしましたが陽性になりましたのでクリプトコッカスになります。

総合内科医志望さま
ステロイドの投与はそういった内容を示唆されているのでしょうか?結核治療の場合にステロイドの投与は治療に影響しないのでしょうか?

皆様、通常の結核治療期間より長いので何か基礎疾患は考えられないでしょうか?

投稿: 管理人:師範手前 | 2007年3月26日 (月) 12時37分

基礎疾患ですか...
何でしょうね.HIVでしょうか,それともリンパ腫などが潜んでいるのでしょうか,それとも総合内科医志望さまのおっしゃるように,胸膜炎に対してステロイドを使用したりしているのでしょうか?
そして,この方はクリプトコッカス髄膜炎なんでしょうか,クリプトコッカス血症なんでしょうか,それともクリプトコッカス肺炎から敗血症を来したのでしょうか?
色々謎は深まりますが,追加情報・ヒントあればよろしくお願いします.
いずれにせよ,結核入院治療終了間際にcryptococcemiaというのは珍しいですね.

投稿: ID conference管理人 | 2007年3月28日 (水) 17時07分

ID conference管理人 さま
コメントありがとうございます。
そうです。明解な指摘ありがとうございます。
健康だった成人に結核に合併してクリプトコッカスですが、通常HIV?と思うのは鋭いです。そうです。CD4が50くらいです。HIV感染症を基礎に免疫能が落ちて結核に罹患し後ろにクリプトコッカスが隠れていました。最近結核が分かり後で治りが悪いので調べたら・・・HIVも合併していたという例が多くなって来ている気がします。HIVであればCMVもそうですがPCPやクリプトコッカスも疑うのでしょう。
髄膜刺激症状はなかったのですが、髄液検査をしたところやはり墨汁染色陽性でした。HIVの治療に関してどういうタイミングで実施するか難問ですし、抗結核薬と抗真菌薬との相性も色々あり難しいと思いますが検査も含めてコメント頂けないでしょうか?


投稿: 師範手前 | 2007年3月28日 (水) 17時30分

師範手前さま
ブログが盛り上がりすぎていてついていけていませんでした。
活動性結核をみたら全例にHIVを考慮するべき、と海外文献には書いてあります。今後は日本でもそうなってきてしまうのでしょうか。
HIV感染が判明すれば症状の有無に関わらず日和見病原体の検査をすると思います。CMV網膜炎やトキソプラズマ抗体etc・・・当院ではHIV治療は担当していませんので詳細翌分かりませんが、一般的には日和見感染の治療を先に十分行ってのちにHAARTを導入するのが一般的なのではないでしょうか。ただHAART開始後の再悪化(いわゆる免疫再構築)がありえ、治療を終えた後どのくらいHAARTを待つのかについても専門の先生方悩まれるのではないでしょうか。
結核とHIVは双方に悪影響を及ぼすと理解しています(結核を重症化させる・肺外結核を増加させる・CD4の減少が速まる等)
結核治療におけるステロイド併用が推奨されているのは髄膜炎と心膜炎(ATSガイドライン)だったと思います。その他の病態では不適切もしくは未確定であり、推奨されていないようです。
とりとめのないコメントですいません。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年3月29日 (木) 17時43分

総合内科医志望さま
貴重なコメントありがとうございます。
結核治療におけるステロイドの投与ですこちらも調べてみます。
髄膜炎の場合でしょうかね?メチルプレドニゾロンの投与になるのでしょうか?
そうですね、原疾患を治療した後にHAART療法が基本ですね。これはHIV感染症が後から分かった場合ですが、HIV陽性で後で結核やクリプトコッカスが分かった場合はどうするのでしょうかね?HAART療法って途中で中断できないですよね。難しい問題です。何だかこのコメントに関しては炎上しそうなのでこれくらいにしてガイドラインを参照にしたいと思います。
今回は結核→クリプトコッカスというケースを題材にしていますが、FLCZに関してはRFPとの相互作用がありますので血中濃度のコントロールが必要ですね。以外にアゾール系抗真菌薬とRFPの組み合わせが良くないのは知られていないのかな?とも思います。

投稿: 師範手前 | 2007年3月30日 (金) 20時44分

あまり系統だって勉強したことがないのですが,当院で経験する日和見感染で初発するHIVのケースはたいていニューモシスチス肺炎で,結核やクリプトで初発,というケースはあまりありません.特に,このケースのように「結核の治りが悪いと思ったらHIVだった」というHIVの見つかり方は少ないような印象があります.それだけに勉強になりました.

このケースはHIVのクリプトコッカス血症なので,うろ覚えですが,第一選択はアンホテリシン+5-FC(フルシトシン)になるのではないでしょうか?

投稿: ID conference管理人 | 2007年3月31日 (土) 23時13分

ID conference管理人さま

鋭い指摘ありがとうございます。
確かにクリプトコッカスに関してはAMPH-B+5-FCがスタンダードになります。軽快後はFLCZへのスイッチも考慮されますが、今回はPZAを使用していることなどを理由に腎機能軽減や症状が急性でなかったことからFLCZの初期治療になりました。

投稿: 師範手前 | 2007年4月 2日 (月) 17時28分

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