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2007年3月30日 (金)

今日はもう一つ・・・

今日から土日に入りますので2つ目提示したいと思います。

グラム染色ではありませんが・・・

突然、高熱、皮疹を伴う患者が来た場合はどうしましょう?

ワシントンマニュアルには皮疹と発熱の項があり、最優先は『血液培養』になっています。

劇症型溶連菌感染症、ビブリオ・ブルニフィカス感染症などポイントを抑えることが必要ですが、皮疹の種類にも違いがあるようです。ニュージーランドの先生?が皮疹のアトラスを公開していたので見ました。ためになります。中でもジェットバス症候群ってのがあり、緑膿菌の皮疹もありました。へえ~と思いサンフォードガイドを除いているとあるじゃないですか。問診にてジェッバスに入っていますか?なんて聞けないですよね。何とか姉妹でないすが・・・。

中でも点状出血を伴うものがあり、髄膜炎菌によるものが記載されています。中々知らない先生も多いので、最近は皮疹の状況など聞くようになりました。髄膜炎菌以外では肺炎球菌やインフルエンザ菌など莢膜産生の菌による電撃性紫斑を伴う疾患があり、劇症となります。リスク要因としては脾臓機能低下や摘脾の方で、各種ワクチンの接種が必要になります。脾臓で排除(自浄)する力が低いためらしいです。また先天性プロテインC欠損症の小児でもリスク要因になるようです。

脾臓の機能低下を示すものに末梢血のスメアにて異常赤血球を見ることが重要であり、掲載写真は肺炎球菌による電撃型紫斑病患者のメイ・ギムザ染色です。下方の赤血球内に小さい点(ハウエルジョリー小体)があり、摘脾のない場合は機能低下の指標になるようです。電撃型紫斑病を伴う肺炎球菌感染症の場合は血清型12型が多いとの報告もあります。劇症型=肺炎球菌?と感じるかもしれませんが要注意です。

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3/22の掲載の追加です

グラム染色ではありませんが、3/22のグラム染色で見えた菌で墨汁染色をしてみました。

黒色背景に浮かんだ白いものがクリプトコッカスになります。

中心には菌体があり、周りが抜けて見えています。抜けるのは莢膜です。初回培養の場合などは観察されることが多く、髄液など無菌材料でこのような像が見えれば、ほぼCryptococcus neoformans になります。菌は均一なので良く観察して下さい。

髄液の場合は白血球との鑑別が重要ですが白血球の場合はここまで抜けて見えませんが百聞は一見にしかず・・・。検査で出たら一度見て損はありませんよ。

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2007年3月29日 (木)

基本的な解説②

そういえば基本的な解説で背景の前に伝えることがありました。

菌の形状で分かる場合があります。特に有名なのは便からのキャンピロバクターになります。らせん状の桿菌で2-3回巻きと記載がりますが実際見たときに分かるの?と思いますが、少し経験を積んだ検査技師の場合は『あっこれ?』と見つけます。でも写真で見せるように非常に特徴のある像ですので覚えておいて下さい。

見方のコツは・・・小児であれば、一面に見えますが成人の場合は常在菌に紛れて見難いので頑張って探してください。鶏肉の生食でマーブル様の粘血便であればS/Oキャンピロバクターになります。グラム染色で見ると染まりの悪い粘性の物質が背景に見えるのでその周囲を探す と見付かります。

キャンピロは陰性桿菌ですが大腸菌などに比べて外膜が薄い?ので染色が淡く芽をこらして見るのも必要です。後染色もサフラニンでするよりパイフェル(塩酸フクシンの薄めたもの)の方が綺麗に染まりますので。後染色の液を何は何を使っているか一度見ておいた方が良いです。

トライしてください。また菌の形状を見るのであれば前染色(青)のみした方が見やすいですよ。

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2007年3月28日 (水)

基本的な解説①

そういえば基本的な解説が抜けていました。 グラム染色は前染色(クリスタルバイオレット)と後染色(パイフェルかサフラニン)の対比により菌体を染め分けるものです。グラム陽性とは青く染まる菌、グラム陰性とは赤く染まる菌を指します。グラム陽性菌にはぶどう球菌やレンサ球菌、デーデルライン桿菌などの桿菌があります。グラム陰性菌は腸内細菌、緑膿菌、淋菌をはじめ細胞壁の外に外膜を持つものになります。初めは陽性菌のみ良く見え、陰性菌は見えないという初級者特有の現象が起こりますのでゆっくりみることが肝要です。例を示します。が陽性か陰性かは染色方法がしっかりと出来ていることで初めて評価でき、染色液の不良や脱色不足など様々な理由で誤判定されます。コントラストをしっかり使えば判断可能になりますのでスキルを高めてください。

グラム陽性球菌(例:黄色ぶどう球菌) Photo_11

グラム陰性球菌(例:ブランハメラ) Photo_12

グラム陽性桿菌(例:クロストリディウム) Photo_13

グラム陰性桿菌(クレブシエラ) Photo_14

技師もそうですが染色不良による誤判定が多いように見受けられます。研修医の標本を見直しても良くありますので。皆さん注意しましょう。 次回その2ではグラム染色に見る背景いついて書きたいと思います。

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これは喀痰所見です。何が考えられますか?(初級くらい)

症例

60歳男性。既往歴:気管支拡張症。喫煙歴なし。趣味:庭のガーデニング

主訴:発熱および咳嗽、呼吸障害。

当初は感冒様症状として近医で3世代セフェムの経口薬を投与されていました。改善もなく紹介来院。レントゲン所見で左下肺に結節性の陰影を認め、CTでは浸潤影を伴うもので一部小さい空洞形成も認めました。喀痰検査にてこの所見が認められました。

何が考えられますか?追加の微生物学的検査はどうしましょう?

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2007年3月26日 (月)

これは簡単でしょう・・・(3級くらい)

症例

45歳、男性。基礎疾患特になし。

発熱、倦怠感のため来院。『急にトイレに行く回数が増えたんです・・・』と言っていました。

なのでとりあえず出した材料、自然排尿です。スメアを示します。

400_1

典型的なので段は上げれません。菌種の同定をしてください。

また余裕がある方は背景より推測される病態など添付お願いします。

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2007年3月23日 (金)

どういう病態を現しているのでしょう・・・?

症例(初段)

34歳女性。本日38℃代の下腹部痛、発熱、全身倦怠感を訴えて救急来院。よくよく聞いてみると、前日に近医を受診し膀胱炎の疑いで薬を処方してもらったそうで。改善なかったようです。特に基礎疾患もなく、アレルギー歴もありません。生来健康な生活を過ごしています。

診療歴もあったのでもう一度、尿の細菌検査を実施したところこのようなスメアが確認できました。

このスメアからそういった疾患を疑いまた、推定起炎菌、投与しようとする抗菌薬と注意点について何か感じ取れますか?

ヒント

①菌の色調(濃度など)②菌の形態Photo_1 ③背景の観察

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2007年3月22日 (木)

いきなり難しいですかね・・・

症例(初段くらい?)

40歳男性。主訴:発熱および咳嗽、食欲不振。

37℃代の微熱が続いたため内科受診されました。聞いていくと・・・咳嗽と食欲不振もあり。胸部レントゲンを撮りました。右肺野に空洞形成もあり抗酸菌検査を実施したところ塗抹2+、結核PCR陽性になりました。典型的な結核でそのまま入院となりRFP+INH+SM+EB+PZAによる加療開始しました。やや遅くではありますが呼吸状態は徐々に改善していきました。退院間近(治療開始より40日)になり突然38℃代の発熱が持続するようになり血液培養を実施したところ2.5日目に好気ボトルがPhoto 陽性となりました。そのときのグラム染色がこれです。

今何が考えられ今後どのよう感染症の管理を進めていきましようか?

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グラム染色道場を開きました・・・

グラム染色に関するブログを開設することにしました。皆様宜しくお願いします。

このブログではグラム染色を通して、病原菌の検索のみならず、菌種や患者の現在の状態や臨床検査の方法について語り合うブログです。グラム染色は感染症の診断に対し賛否両論と思いますが、迅速に診断できれば非常に有意義な検査につながります。

日常感じられる内容について常時アップデートしていきたいと思いますので宜しくお願いします。

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