これは簡単でしょう・・・(3級くらい)
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コメント
おじゃまします。
グラム陰性桿菌は莢膜を認めることからクレブシエラを疑います。グラム陽性球菌も認めていますが、腸球菌でしょうか。右側に円柱も認めることから上部尿路感染かな。発熱、頻尿などもあることから腎盂腎炎でしょうか。
投稿: MbookP | 2007年3月26日 (月) 21時46分
追記ですが、年齢的にも前立腺肥大が引き金でしょうかね。肥大により尿流が悪くなり、円柱や感染・・・云々。
投稿: MbookP | 2007年3月26日 (月) 22時15分
MbookPさま
早速鋭いご指摘ありがとうございます。
グラム陰性の短桿菌でスライド右中には菌の周りが若干抜けて見えます。そうです莢膜です。赤く染まることもありますが、肺炎球菌同様に肺炎桿菌も抜けて見える(ハロー)ことが多いです。
短桿菌で濃く染まり(緑膿菌はやや薄く染まります)、菌の両端がやや角ばった(緑膿菌は両端が丸くやや湾曲していることも)球菌様に見えるのが肺炎桿菌の特徴です。喀痰でも同様の染まりを見せることもありますが少し異なることもあります。尿では得てしてこのような態度を示すことが多く覚えていると一目でわかります。
腸球菌らしい陽性球菌も確認できています。が貪食ではなく、白血球の上に載っているため重なって見えます。顕微鏡では微調整すればわかります。
肺炎桿菌はアンピシリン耐性はご存知の通りですので、腸球菌の複合の場合は抗菌薬に困ります。キノロン耐性も増加してきていますが、大腸菌ほどではないと思われます。治療は何でするのが良いのでしょうか?経口?注射?3世代+アンピシリン?カルバペネム?通常は3世代+ペニシリンなのでしょうね・・・。
ちなみに病態は貪食がないことから単純性膀胱炎の可能性が高いです。円柱様のものはこれではわかりにくいですが、沈さ所見を参考にすることが先決です。
追加コメントください
投稿: 師範手前 | 2007年3月27日 (火) 09時06分
グラム染色、勉強させていただきたいと思います。
Klebsiella、Enterococcusが起炎菌として想定されるようです。empiric therapyの抗菌薬としては
①単剤で治療という点からはPIPC
②抗緑膿菌作用のない単剤で治療したいと思えばSBT/ABPC
③(同定・感受性検査後のde-escalationを前提として)、ABPC またはSBT/ABPCとGMの併用
などが私の好みに合いますが、標準的ではないかもしれません。セフェム系+ペニシリン系とβラクタム薬を重ねるのは髄膜炎患者の一部などのやむをえない場合を除いて、あまり使いたくありません(根拠はありませんが・・・)
SBT/ABPCは適応病名の問題はありますが、血培もとるときには、敗血症とつけています。
ところで、この患者さん、どうして尿路感染になったのでしょうか?男性、45才、基礎疾患なし、で尿路感染はあまり起こらないと思います。また、単純性尿路感染とすると腸球菌がいるのもなんだか変です。結石などがあるのでしょうか?
投稿: ICT医師 | 2007年3月28日 (水) 21時45分
コメントありがとうございます。
そうなんです。
腸球菌?と見えるものですが、健康成人では混合で出てくることは少ないかと思います。なので見えてるだけ?培養結果待たないと良く言えませんが、排尿する際に周辺の雑菌がたまたま入り見えた?この段階では難しいです。見えたのはこの周囲のみでGNRに比べ圧倒的に菌量が少ない状況でした。なので主たる起炎菌はクレブシエラの尿路感染だと思いますが、検査室ではこの場合はUTIの基準と併せての報告のみしか出来ません。ので翌日の培養結果に忠実に報告するのみになります。あとは臨床医の判断に委ねられますが、スメアと臨床の照合をする場合は双方電話が必要なのかな?って思います。腸球菌がUTI起こすことは少ないと以前とある泌尿器科医に聞きましたのでどこまでか・・・とこちらも疑問に思います。
なので最初はABPC/SBTで良いのかな?と思っています。
でも腸球菌は貪食ある場合は異なるのでしょうが・・・。
投稿: 師範手前 | 2007年3月29日 (木) 09時33分
勝手な印象ですが,Enterococcus + Klebsiellaの「単純性膀胱炎」が「健常45歳男性」で起こるのは珍しいような気がします...
投稿: ID conference管理人 | 2007年3月31日 (土) 23時28分
ID conference管理人
そうですね。腸内細菌+腸球菌の混合感染があるのはおかしいと思うのは当たり前ですか。
全てが全ての診療科や技師がそういう考えでもないので、出たまま鵜呑みにしてしまうこともあります。スメアで腸球菌?と思ってもビリダンスだったなどという結果になりかねないです。
なので今回のスメアでは腸内細菌の単純性膀胱炎と考えれば良いと思っています。
投稿: 師範手前 | 2007年4月 2日 (月) 17時33分